概要
通常の抗体作製は、ペプチドや精製されたタンパク質を抗原とし、動物に免疫して作製しますが、『DNA免疫法』は発現ベクターに組み込んだ目的タンパク質の遺伝子を動物に導入し、動物の体内で発現させて、その目的タンパク質を抗原として抗体を作製する技術です。
特長
- 精製抗原を調製する必要がありません。
- ネイティブフォームのタンパク質を認識する抗体作製が可能です。
- 複数回膜貫通型タンパク質に対する抗体作製に最適です。
- ホモロジーの高いターゲットに対する抗体作製が可能です。
* DNA免疫法の概要については下記ページをご参照ください。
DNA免疫法によるモノクローナル抗体作製(マウス・ラット)受託
作業の流れ
Feasibility Study
- 抗体作製戦略の立案
ご依頼いただいた配列情報や使用目的を元に、ターゲットの構造及び性質を分析し、抗体作製戦略を提案させていただきます。
具体的には、富士フイルム和光純薬の持つin-house発現ベクターの中から、ターゲットの構造及び性質を踏まえた最適なベクターを選択し、最適な免疫領域及び免疫方法を報告書と共に提案させていただきます。
Milestone 1
- 哺乳細胞における抗原の発現解析(フローサイトメトリー)
細胞表面での発現確認:上記Feasibility Studyで決定した内容に基づき、ターゲット遺伝子をin-house発現ベクターにクローニングし、免疫プラスミドを作製いたします。それを用いてターゲットの細胞表面での発現レベルを一過性強制発現細胞を用いてフローサイトメーターを用いて評価します。このステップでの発現レベルが、Milestone 2(免疫)への移行の重要な判断材料となります。このベクターにはあらかじめtag配列が含まれており、発現確認には抗tag抗体を用いてターゲットの発現レベルを確認いたします。
Milestone 2
- 抗血清(ポリクロ―ナル抗体)の作製
動物への免疫:作製した免疫用プラスミドをウサギに免疫いたします。免疫方法は皮下免疫です。6~10週間にわたって免疫を行なった後に抗血清を回収します。抗体価をMilestone 1で作製した一過性強制発現細胞を用いてフローサイトメーターで評価します。また、抗血清は個体ごとに回収し、オプションでお客様へ評価用サンプルとしてお送りします。なお、この解析の際に用いる発現ベクターは、tag 配列が挿入されていないものを使用するため、tag に対する抗体価は除外され、特異抗体価を測定することになります。