概要
液体クロマトグラフィー(LC)と質量分析計(MS)を組み合わせたLC-MSシステムにより、生体試料中のタンパク質の網羅解析(プロテオーム解析)を行います。
試料中に含まれるタンパク質を幅広く分析する網羅解析のほか、特定のタンパク質のみを対象として分析するターゲット解析もございます。
サービス内容
- タンパク質比較定量解析(DIAプロテオーム解析)
DIA(Data Independent Acquisition)法を用いてプロテオーム解析を行います。
DIA法では、存在量に関係なく全ての分子のMS/MSスペクトルを測定するので、高感度で定量性の高いデータを取得できます。解析の条件・使用装置によって三段階のサービスをご用意しております。
【標準感度DIAプロテオーム解析】
スクリーニングに最適な標準的解析プラン
(HeLa細胞におけるタンパク質同定数目安:6,000~8,000)
【高感度DIAプロテオーム解析】
高感度化メソッドを用い、微量なタンパク質も検出可能な解析プラン
(HeLa細胞におけるタンパク質同定数目安:8,000~9,000)
【超高感度DIAプロテオーム解析】
高感度化メソッドに加え、使用する質量分析計も高グレードのものを用いる最高感度の解析プラン
(HeLa細胞におけるタンパク質同定数目安:9,000~10,000)
- リン酸化修飾比較定量解析(リン酸化プロテオーム解析)
リン酸化タンパク質の網羅解析を行います。特に、タンパク質中のセリン・スレオニン残基のリン酸化を検出することが可能です。解析の条件・使用装置によって二段階のサービスをご用意しております。
* チロシン残基のリン酸化については本手法では検出されにくいことから、別途「チロシンリン酸化プロテオーム解析」をご利用ください。
【高感度リン酸化プロテオーム解析】
試料の分画を行うことで、微量なリン酸化サイトも検出可能な解析プラン
(HeLa細胞におけるリン酸化サイト同定数目安:15,000~20,000)
【超高感度リン酸化プロテオーム解析】
試料の分画に加え、使用する質量分析計も高グレードのものを用いる超高感度高精度の解析プラン
TMT MS3 SPSワークフローという、共溶出するタグ化された夾雑ペプチドの影響を削減し、正確な定量を可能とする強力なメソッドを使用します。
(HeLa細胞におけるリン酸化サイト同定数目安:15,000~20,000)
- チロシンリン酸化プロテオーム解析
通常のリン酸化プロテオーム解析では検出の難しいチロシン残基のリン酸化について解析を行います。
【チロシンリン酸化プロテオーム解析】
リン酸化チロシン抗体を用いて試料の濃縮を行うチロシンリン酸化タンパク質解析プラン
(HeLa細胞におけるチロシンリン酸化サイト同定数目安:1,500)
- ターゲットタンパク質解析
配列が既知のタンパク質(またはUniprotなどのデータベースに登録のあるタンパク質)を対象として、特定タンパク質の定量解析を行います。
抗体が手に入らないタンパク質でも定量が可能なほか、非特異的反応が少ないため高い定量精度での解析をすることができます。
また、一度に数種~数百種類のタンパク質の解析が可能なため、マルチマーカー解析にも最適です。
* 上記メニュー以外にも特注対応可能な場合がございますので、タンパク質の解析でお困りの場合にはぜひお問い合わせください。
対象生物種
Uniprotデータベースに登録されている生物種が対象となります。
また、解析結果はUniprotに登録されているタンパク質と照合され報告されます。