概要
バクテリア人工染色体(Bacterial artificial chromosomes、BACs)は大腸菌細胞内で300kb以上の長大DNA配列をクローニング、安定維持することができるDNAベクターです。BACは、相同性組み換えを利用したBACリコンビニアリングと呼ばれる遺伝子編集技術によって、比較的簡単かつ迅速に希望する改変を導入できます。
ベクタービルダー社は発現制御配列の下流にレポーター遺伝子を配置する、目的遺伝子に点変異を導入する、BACの転移領域をプラスミドに移し替える、薬剤選択マーカーもしくは可視化マーカーとBACバックボーンに追加する、などの様々なBAC編集サービスを提供しています。実験目的を記述したデザインリクエストを送っていただければ、あとはベクタービルダー社がBAC編集方法の設計、BAC作製注文、作製された最終BACクローンの検証までのすべてを請け負います。
サービス詳細
- BAC編集方法の設計
ベクタービルダー社の経験豊富なチームが、ご要望のBAC編集を実現するために詳細かつ効率的な方法を立案します。費用はかかりません!
- BACをベンダーから入手
必要なBACのID番号がわかっているならば、ID番号をもとに当社がそのBACを取得します。BACのID番号がわからなくても、研究目的の遺伝子にとって最適なBACを選択します。ほとんどのBACはCHORIのBACPACリソースセンターにて取得できますが、その他のサプライヤーから取得しなくてはいけないBACもあります。お客様のBACを大腸菌のストックの形状でベクタービルダー社に郵送していただけるならば、このサービスは必要ありません。
- BAC編集後の検証
シークエンスによってBAC編集された領域の確認がなされます。BAC内の反復配列において欠失が生じることがあります。この可能性を最小限に抑えるために当社では編集後のBACを細胞へ再導入して、単一クローンを単離、BACのすべてをカバーするように複数の領域をPCRで増幅して明らかな欠失が生じていないことを確認しています。
- 納品形態
最終的なBAC編集サービスの納品物は検証済みのBACを持つ大腸菌ストックの形になります。高品質BAC DNAをお求めの場合は、複数のスケールを選択できます:ミニプレップ (>10 ug)、ミディプレップ(>100 ug)、マキシプレップ(>300 ug)、メガプレップ(>1 mg)、ギガプレップ(>10 mg)。
- お客様から提供されたマテリアル
お客様がBACを提供する必要がある場合は、マテリアル情報を提出してください。遅延やマテリアルのダメージを避けるために、ベクタービルダー社のガイドラインに忠実に従って梱包してください。お客様から提供されたマテリアルはベクタービルダー社による品質検査を受ける必要があり、品質検査費用がかかります。お客様から提供されたマテリアルが品質検査を通過するまでBAC編集が開始されないことを留意してください。