Bispecific Antibody(二重特異性抗体)またはTrispecific Antibody(三重特異性抗体)の作製受託サービスです。マウスモデルにおいて、同時に2つの異なる抗原(またはエピトープ)に結合できる抗体です。がん免疫研究などに関連する因子のラインナップがあります。
二重特異性抗体とは
二重特異性抗体(Bispecific Antibody)は1つの抗体が同時に2つの異なる抗原(または同じ抗原の異なるエピトープ)に結合します。自然には存在せず、2つのハイブリドーマを体細胞融合させたり、遺伝子組換え技術を利用したりして人工的に作製します。抗体の片方のアームはマーカー分子(細菌やウイルスなど)に結合し、もう片方のアームはエフェクター細胞のリクルートや薬剤、サイトカイン、毒物などを輸送する機能を持つよう設計するのが一つの有効なアプローチです。
特長
- 軽鎖のミスペアリングを防ぐために、片方のIgG鎖を一本鎖Fv(scFv)に変換してあります。
- Absolute Antibody社独自のFc Silent変異が導入された製品もあります。Fcドメインを改変することで、エフェクター機能を抑制しています。Fcレセプターとの結合に起因する非特異的吸着や抗体依存性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)が抑えられます。
- 完全マウス骨格のため、マウスモデルで低免疫原性を実現します。
- 低エンドトキシン、高純度であるため、in vivoでの研究に適しています。
製品ラインナップ(抗体の標的)
抗体の構造が2パターンあります(
fig.2)
- KIH:Knob-into-Hole型二重特異性抗体
- mIgG-dAb:マウス二重特異性抗体
メーカーサイト「Bispecific Antibody Reagents」
Knob-into-Hole(KIH)型の二重特異性抗体
Bispecific Antibodyの作製法は、Knobs-into-Holes (KIH) 法が広く知られています。
KIH法では重鎖の一方にKnob変異を、もう一方にHole変異を導入した組換え体抗体鎖を発現させます。HoleにKnobが挿入されるように設計されており、優先的にヘテロダイマーが産生されます。従来のIgG分子でありながら、第一抗原を標的とするアームと、第二抗原を標的とするアームを持ち、Bispecific Antibodyと言われています。さらに、構成要素としてFab fragmentとsingle chain Fv (scFv)を用いることによって、多くの他のオプションにも対応可能です。
メーカーサイト「
Bispecific and Trispecific Antibodies
」
作製する抗体のタイプ(fig.3)