概要
Piwi-interacting RNA(piRNA)は、約23~36塩基長の1本鎖small non-coding RNAです。piRNAは、アルゴノートタンパク質のPiwi(P-element Induced Wimpy Testis)サブファミリーと相互作用します。piRNAは非常に多彩であり、近縁種間であっても配列保存度が低いものとなっています。数百存在するmicroRNAとは対照的に、数万ものpiRNA配列がヒトやマウス、ラットにおいて知られています。piRNAは、長さおよび発現様式、ゲノム構成において、microRNAと非常に異なっています。piRNAの機能としては、生殖細胞におけるトランスポゾンのサイレンシングによるゲノム安定性の維持などが知られていますが、他にも機能を有する可能性があります。Arraystar piRNA microarrayは、ヒトおよびマウス、ラットに対応し、ロング オリゴヌクレオチド プローブの採用およびデュプレックスデザインにより、数万のpiRNAを高い特異性および感度でプロファイルし、piRNAの生物学や分子機能、生殖細胞やがん、その他の細胞型におけるバイオマーカー的機能に関する研究を支援します。
特長
- piRNAを包括的にプロファイリング
- ロング オリゴヌクレオチド プローブの採用による高い特性を実現
マイクロアレイ情報
生物種 |
ヒト |
マウス |
ラット |
リファレンスゲノム |
hg19 |
mm9 |
rn4 |
piRNA数 |
23,677 |
43,537 |
39,727 |
プローブ長 |
60 nt |
ラベリング法 |
T4 RNA リガーゼによる脱リン酸化RNAとの Cy3 標識 |
アレイフォーマット |
4x44K |
ワークフロー
本サービスでは、サンプル調整からデータ解析までのフルサービスを提供します。段階的な品質管理は、信頼できる結果の取得を確かなものとする様にデザインされています。お客様にはサンプルをご提供頂くだけです。
サンプルのご準備については、
Sample Submission Guideline をご参照ください。
・RNA品質チェック(QC)
・Cy3ラベリング
・アレイハイブリダイゼーション、洗浄、スキャンニング
・データ抽出、解析、要約
バイオインフォマティクス
piRNAマイクロアレイのデータから、遺伝子発現値およびアノテーションがまとめられます。発現変動 piRNA は、変動および統計的有意差によって同定されます。(
fig.1)
参考文献
1. PIWIL3/OIP5-AS1/miR-367-3p/CEBPA feedback loop regulates the biological behavior of glioma cells. Liu X, et al. Theranostics, 2018
2. RASSF1C modulation of Piwi-interacting RNAs(piRNAs) in lung cancer YG Amaar, et Cancer Research, 2015
3. Roles of piRNAs in microcystin-leucine-arginine(MC-LR) induced reproductive toxicity in testis on male offspring. Zhang L, et al. Food and Chemical Toxicology, 2017
4. Piwi-interacting RNAs as novel prognostic markers in clear cell renal cell carcinomas. J Busch, et al. J Exp Clin Cancer Res., 2015
5. Altered Expression of PIWI RNA in the Rat Brain After Transient Focal Ischemia. Ashutosh Dharap, Venkata Prasuja Nakka and Raghu Vemuganti. STROKEAHA, 2010.