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ノックインマウス作製受託サービス ID: J01553

サービスについて

概要

ノックインとは、外来遺伝子をマウスゲノム上に導入し、導入遺伝子産物の機能を解析する手法です。外来遺伝子の挿入により、同時に内在性遺伝子を破壊するような設計、Cre/loxPシステムを利用した誘導発現の設計、複数の外来遺伝子の同時発現など、様々な設計をすることができます。ゲノム中の遺伝子発現制御の活性を調べるためのレポーター遺伝子(LacZ、GFPなど)の挿入もノックインマウス作製に該当します。安評センター社が行っている遺伝子改変マウス作製において、最も高度な技術を要する受託です。ご要望に合わせて、ストラテジーを提案いたします。

特長

  1. 外来遺伝子をマウスゲノム上に挿入
  2. 内在性遺伝子を同時に破壊することも可能(ノックイン・ノックアウト)
  3. レポータータンパク質の発現を内在性制御領域によりコントロール可能
  4. Cre/loxPシステムを利用した誘導発現も可能
  5. 塩基レベルでご希望のゲノム内の位置にご希望の遺伝子を挿入
  6. 点変異KIマウスの場合はCRISPR/Cas9でも対応可能

作業概要

工程 作業内容
相同組換えベクターの構築 1. 標的遺伝子に関する情報をデータベースにより取得し、デザイン案を作製
2.相同組換え領域のクローニング
3.クローニング産物と薬剤耐性遺伝子の組み合わせにより、相同組換えベクターを構築
4.スクリーニング条件設定のためのコントロール・ベクターを作製
組換えES細胞株の樹立 5. ES細胞株へのエレクトロポレーション
6. 薬剤耐性ESクローンのピックアップ
7. PCRによるスクリーニング
8. PCR解析、Neoプローブによるサザンブロット解析により、相同組換えESクローンを樹立
キメラマウス作製 9.最大3クローンの相同組換えES細胞を用いて、キメラマウス作製(全てのキメラマウスがES細胞寄与率80%を下回る場合、再作業)
ヘテロマウス作製 10. 自然交配による生殖系列キメラマウスの同定(ES細胞寄与率上位4匹のキメラマウスを、野生型マウスと交配)
11. 第1世代(F1)ヘテロマウスの取得
工程 作業内容
薬剤耐性遺伝子の除去 F1ヘテロマウスとCAG-Flpマウス(あるいは、CAG-Creマウス)との交配により、薬剤耐性遺伝子を除去。さらに、野生型マウスと交配させ、Flpトランスジーン(あるいは、Creトランスジーン)を除去

* 納品にかかる微生物検査費、輸送費は別途必要です。


オプション:スキップサービス
(キメラマウスとCAG-Flpマウスの交配により生殖系列移行と薬剤耐性遺伝子除去を同時実施)

工程 作業内容
薬剤耐性遺伝子除去
スキップサービス
  • ES細胞寄与率上位のキメラマウスとCAG-Flpマウスの自然交配の実施(*1)
  • PCR解析による薬剤耐性遺伝子が除去された第1世代(F1)マウスの同定
  • 薬剤耐性遺伝子が除去されたF1マウスと野生型マウスの自然交配の実施(*1)
  • PCR解析によるCAG-Flpトランスジーンが除去された第2世代(F2)マウスの同定
  • 8週齢までのF2ヘテロマウスの飼育

*1ヶ月間の交配で妊娠が確認されない場合、交配ペアを変更しさらに1ヶ月交配を実施します。
* 納品にかかる微生物検査費、輸送費は別途必要です。
* CAG-Creマウスでのスキップサービスも可能です。


点変異KIマウスの作製はCRISPR/Cas9での実施も可能です

工程 作業内容
ガイドRNAの活性確認
ssOligoの合成
  • 標的遺伝子配列に対するガイドRNAの選択(最大2種類)
  • 選択ガイドRNA配列を組み込んだcrRNAの合成
  • Cas9タンパク質とtracrRNAの準備
  • 標的配列切断活性のin vitro評価
  • ssOligoDNAの合成
受精卵インジェクション
  • 前核期受精卵(C57BL/6N系統)へのインジェクションと移植
  • 産子の組織採取
  • 8週齢までの産子飼育
ダイレクトシークエンスによる
遺伝子変異の検出
  • 解析条件の決定
  • ダイレクトシークエンス解析(判読可能な場合は変異導入配列を確認)
自然交配による
次世代作製(F1ヘテロマウスの取得)
  • 指定のファウンダーマウスを用いた自然交配の実施
  • 産子の組織採取
  • 8週齢までの産子飼育
  • ダイレクトシークエンスによる第1世代(F1)マウスの同定

* 実施内容、マウス系統により費用が変わることがあります。


ES細胞を用いた相同組換え法での実施例(fig.1

構築した遺伝子改変用ベクターをエレクトロポレーションによりES細胞に導入します。PCRによる1次スクリーニング、詳細解析、Neoプローブによるサザンブロット解析により、相同組換えES細胞を樹立します。

樹立した相同組換えES細胞からマウス作製(fig.2

樹立した相同組換えES細胞よりマウスを作製します。計画通り遺伝子改変用ベクターが挿入されたES細胞(最大3クローン)からキメラマウスを作製します。F1マウスを作製し、相同組換えES細胞が生殖系列へ移行しているかを確認、ヘテロマウスを取得いたします。

納品

お客様のご都合に合わせて、安評センター社からマウスを納品します。通常はF1ヘテロ接合体マウスを納品しますが、ご希望に応じてキメラマウス(F0ファウンダーマウス)・ホモ接合体マウスの納品、凍結胚・精子での納品、マウス増産後の納品も可能です。

ご注文に関して

お問い合わせフォーム よりお問い合わせください。

参考価格・納期

作業工程 納期 価格(税抜)
相同組換えベクターの構築 約3ヶ月 ¥1,200,000
組換えES細胞株の樹立 約4ヶ月 ¥1,800,000
キメラマウス作製 約3ヶ月 ¥700,000
ヘテロマウス作製 約3ヶ月 ¥700,000
合計 約13ヶ月 ¥4,400,000

* 納品にかかる微生物検査費、輸送費は別途必要です。


作業工程 納期 価格(税抜)
薬剤耐性遺伝子の除去 約6ヶ月 ¥900,000

*上記価格・納期は安評センター社標準の作業内容の場合となります。ご希望内容によっては価格・納期共に変動することがございます。


作業工程 納期 価格(税抜)
薬剤耐性遺伝子除去スキップサービス 約6ヶ月 ¥1,700,000

* 納品にかかる微生物検査費、輸送費は別途必要です。


作業工程 納期 価格(税抜)
ガイドRNAの活性確認ssOligoの合成 約2ヶ月 ¥555,000
受精卵インジェクション 約3ヶ月 ¥700,000
ダイレクトシークエンスによる遺伝子変異の検出 約1ヶ月 ¥400,000
自然交配による次世代作製(F1ヘテロマウスの取得) 約3ヶ月 お問い合わせ

*実施内容、マウス系統により費用が変わることがあります。

関連サイト