Qイノベーション / フナコシ ID: J01814

人工知能を用いたin silicoタンパク質 - 化合物間結合スクリーニング受託サービス ID: J01814

立体構造情報不要で高速かつ高精度にスクリーニング可能です!

サービスについて

概要

人工知能「LIGHTHOUSE」を用いてタンパク質、化合物間の結合性を網羅的に予測するサービスです。タンパク質・化合物の一次元構造のみを用いて解析することで、圧倒的に速い計算を可能にすると同時に既存の三次元構造を用いた解析と同等の精度も実現しています。(fig.1)
* 本サービスは東京医科歯科大学・高等研究院 中山敬一特別栄誉教授の研究成果を基に,株式会社Qイノベーションから提供されています。

特長

  • どのようなタンパク質‐化合物ペアであっても結合性を予測することが可能
  • タンパク質の立体構造情報が不要(一次構造のみで予測可能)
  • 化合物から結合タンパク質を探索することも可能
  • ドッキングシミュレーションの2,000倍以上の計算速度

背景・既存手法との比較

創薬研究などにおいて、特定のタンパク質を標的とする薬剤候補の化合物を1つ1つ実験的にスクリーニングしていく作業は、多大な労力・コストを必要とし、開発コストの高騰の原因となっています。また、既知化合物すべてについてこのような作業を行うことは現実的ではなく、大きな課題となっていました。コンピューターによる計算でのスクリーニング(in silicoスクリーニング)は、この状況を打開する手法として期待されていますが、既存手法であるタンパク質の三次元構造を用いてのシミュレーションには多くの計算リソースと時間が必要な上、シミュレーションの前提となるタンパク質の立体構造はその多くが未知でありシミュレーション自体ができないため、大規模なスクリーニング用途には実用的ではありませんでした。

今回、九州大学生体防御医学研究所の中山敬一教授の下で開発された人工知能「LIGHTHOUSE」は、タンパク質のアミノ酸配列と化合物の元素間の結合様式を人工知能を用いて数値ベクトル化し、タンパク質と化合物間の相互作用に関する大規模公開データベースSTITCH、およびBindingDBを教師データとして人工知能の訓練に用いることで開発されました。
タンパク質・化合物の一次元構造のみを用いて解析することで、圧倒的に速い計算を可能にすると同時に、大規模データベースを用いることにより既存の三次元構造を用いた解析と同等の精度も実現しています。
LIGHTHOUSEを用いることで無数に存在する化合物から有力な候補を効率的に絞り込んでから、実験的にスクリーニングすることが可能になります。

アプリケーション

  • 創薬スクリーニング
  • ドラッグリポジショニング
  • 既知化合物の合成展開による改良検討
  • タンパク質中のアミノ酸変異が、標的化合物との相互作用に及ぼす影響の予測

サービス内容

標的タンパク質に結合する化合物の探索
ご指定の標的タンパク質に対して結合する化合物をin silicoスクリーニングする受託サービスです。探索に用いる候補化合物群として下記の2つのオプションがあります。
  • 既存の承認薬:約10,000種類
  • ZINCデータセット(全世界で購入可能な化合物のセット)に登録済みの約10億種の化合物
    また、お客様が保有する化合物ライブラリを用いた解析にも対応いたします(ただし、化合物のSMILES式をお客様からご提供いただきます)。
逆引き解析(化合物→タンパク質)
上記の解析とは逆に、お客様が指定する化合物に結合するタンパク質をヒト由来タンパク質20,000種からスクリーニングする受託サービスです。

他にもお客様がお持ちの化合物の合成展開による最適化の検討、タンパク質のアミノ酸変異が標的化合物への結合性に対してどう影響するか予測するといった応用が可能です。詳細はお問い合わせ下さい。

解析実施例

実施例1:PPAT阻害物質の探索
下記の例ではLIGHTHOUSEを使ってがんの悪性化に関わる酵素Phosphoribosyl Pyrophosphate Amidotransferase(PPAT)の活性を抑制する化合物の探索を行った。PPATをノックダウンすると様々ながんの進行を食い止められることが知られているが、PPATの立体構造は未だ解明されておらず、PPATの阻害物質もこれまで知られていない。ここではZINCデータセット(全世界で購入可能な化合物のデータセット)に登録されている10億近い化合物をLIGHTHOUSEを用いて探索し、発見した最も有望な化合物を調べることで、世界で初めてPPAT阻害活性がある化合物を見つけることに成功した。
PPATを抑制する化合物をLIGHTHOUSEによって予測し、既存薬(fig.2 左のグラフ、ピンクの点)と同等以上のスコアを持つ化合物を候補として抽出した(fig.2 左、網掛け)。そのトップヒットを実験的に検証したところ、確かにPPATの抑制効果があることが実証された(fig.2 右下のグラフ)。

実施例2:新規抗菌剤の探索
近年世界的な脅威となっているペニシリン耐性菌(βラクタマーゼ産生菌)に対して有効な抗菌剤候補を得るため、大腸菌の細胞壁合成を担う酵素(ftsIとmrdA)を標的としてLIGHTHOUSEでスクリーニングを行い候補化合物を得た。実際にAmp耐性大腸菌への影響を試験したところ、増殖を阻害することが確認できた。(fig.3
実施例3:新型コロナウイルス治療薬候補の探索
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療に有望な化合物をLIGHTHOUSEで予測し、すでに緑内障治療薬や利尿薬などとして承認済みのエトキシゾラミドという化合物を見出した。ヒト培養細胞を用いた感染実験において、エトキシゾラミドは新型コロナウイルスの感染を抑え、 元々の新型コロナウイルスだけでなくデルタ株を含め様々な変異ウイルスから細胞を保護する働きがあることが確かめられた。
エトキシゾラミドを細胞に投与するとSARS-CoV-2の増殖を実際に抑えることが示された(fig.4 中央、緑色がSARS-CoV-2、青色が細胞)。

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参考価格・納期

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