概要
DNA サンプル中には、圧倒的な量の直鎖状染色体DNAと環状ミトコンドリア DNA(mtDNA)が存在しており、これは染色体外環状DNA(Extrachromosomal circular DNA:eccDNA)のNGS解析におけるリード数を大幅に減らす可能性があるため、eccDNA-Seqではこれらを除去する必要があります。Arraystar社のeccDNA-Seqでは、制限エンドヌクレアーゼ切断によって環状mtDNAを線形化し、線形化されたmtDNAと直鎖状染色体DNAを直鎖DNA特異的エキソヌクレアーゼによって消化することで、サンプル中のeccDNAを無傷のまま濃縮します。ローリングサークル増幅(RCA)によって、eccDNAを増幅し、eccDNAのシグナルとデータ品質を大幅に向上させます。micro-eccDNAとmega-eccDNAを同時にプロファイリング可能です。
特長
- 最大限のeccDNA 濃縮: 染色体およびミトコンドリアDNAの除去およびeccDNAのローリングサークル増幅により、eccDNAリードを劇的に増加
- 幅広いカバレッジ: micro-eccDNA to mega-eccDNAの同時プロファイリング
- 高い信頼性: 十分に確立され最適化された手順により、最良の結果を生み出す
- 使いやすい解析: 豊富なアノテーション、ゲノムブラウザトラックの視覚化、生物学者や臨床医向けの論文化可能なグラフィックを提供
本サービスは、gDNA~データ解析までのフルパッケージとなっています。
- gDNAサンプルの受け取りおよびQCチェック
- ミトコンドリアDNAの線状化*
- 線状DNAの除去*
- ローリングサイクル増幅
- 超音波断片化とDNAシークエンシングライブラリーの構築
- illuminaプラットフォームによるハイスループットシークエンシング
- データ抽出と解析および要約
*生体液サンプルの場合、上記2および3の工程は省略。
納品物(例:バイオインフォマティクス解析)
・gDNAサンプルQC結果
・シークエンスデータ(Clean reads, Trimmed reads および Aligned reads)
・データ解析:
シークエンスデータのQC
ゲノム参照データベースへのリードマッピングとアライメント
eccDNA 解析(eccDNA の分類、アノテーション、ゲノム全体の染色体分布)
eccDNA 発現変動解析(fold change≧2 and p-values≦0.05 でデフォルトカットオフ)
発現変動 eccDNA遺伝子のVolcano plot
発現変動 eccDNA遺伝子のGO/パスウェイ解析
・プロジェクトサマリーレポート
サンプル条件
品質条件 |
詳細 |
対象生物種 |
Human / Mouse / Rat(その他生物種については、お問合せください。) |
サンプルタイプ |
gDNA |
必要量 |
推奨量:>3μg、最少量:>1μg |
濃度(Nanodropに基づく) |
>20ng/μL |
純度(Nanodropに基づく) |
O.D.260/280:1.7
O.D.260/230:1.8 |
RNA Integrity |
アガロースゲル電気泳動: 高分子DNAのバンドがはっきりと確認できること |
*DNase、RNase フリーの 1.5ml マイクロチューブを使用してください(スクリューキャップ式を推奨)
*ヌクレアーゼフリーの分子生物学グレードの水に溶解し、-80℃で保存してください。
*UV スペクトルベースの濃度測定法では、不正確になる場合がありますので、蛍光ベースでの測定を強く推奨します。
*UV スペクトルベースで測定した場合、上記よりも多いサンプルをご準備ください。