特長
- 空間情報を保持したシングル核のシングルセル解析を実現
- Broad Instituteで開発されたSlide-tags(*1)がベース技術
- 既存シングルセル解析システムに適応
- 細胞セグメンテーションを必要としないため、真のシングルセル空間解析を実現
*1 原理の詳細は、
使用文献・参考文献をご参照ください。
概要
Curio Trekker Single-Cell Spatial Mapping Kit(Curio Trekkerキット)は、空間情報を直接シングル核に付与することで真のシングルセル空間解析を可能とする画期的な製品です。既存のシングルセル解析システムに適応可能なため、空間位置情報を保持したシングルセルデータを取得することが可能です。従来の空間解析では検出遺伝子数やUMI数など発現値情報が不足することがありましたが、本技術ではシングルセルデータをそのまま空間解析に用いることができるため、より高感度な空間解析が可能です。
サービス内容
凍結組織などを提供いただき、空間位置情報配列(Spatial barcode)を付加したビーズ(直径10μm)が敷き詰められたTile Slide上に、解析対象となる組織切片を配置します。UV照射することでビーズからDNAバーコードを遊離し、近傍の核にDNAバーコードを浸透させます。その後、核を抽出し、Chromium Xを用いてシングルセルに分画後、シーケンスライブラリーを作製します。NovaSeqなどの次世代シーケンサーで解析後、専用ソフトで解析することで、高感度な空間遺伝子発現マップを構築します。核に直接位置情報を付加することで、真のシングル核(セル)空間解析を実現します。(
fig.1)(
fig.2)
* Curio Trekker Single-Cell Spatial Mapping Kitを事前にご購入いただきます。
* スライド作製等の一部作業は病理会社へ委託する可能性があります。
【解析例】Curio Trekkerを使用した胚発生11日目(E11)のマウス胚からの核の空間解析(
fig.3)
E11マウス胚由来の25µm組織切片をCurio Trekkerタイル(10mm x 10mm)に供し、57,545個の核の空間解析を行った。
(A) Trekkerを使用した核の空間マップ。各点は単一の核を示す
(B) 隣接する組織切片のH&E染色画像
(C) ST-Align(画像と遺伝子発現を結びつけるツール)によるH&E画像とTrekker空間マップの重ね合わせ画像
(D) シングルセル解析から得られたUMAP。各点は図Aの点に1対1に対応
(E) 5種類の遺伝子(Gm3764、Rtn1、Cpox、Dnm3os、Gata3)に関する空間上の発現パターン画像