概要
抗原結合性の確認試験を含めた抗体のキメラ化、ヒト化のサービスです。
抗体の「ヒト化」の第一歩は、抗体をキメラ化することから始まります。マウス、ラット、ウサギ、その他各種動物の抗体から、定常領域をヒト由来のものに置換した抗体(ヒトキメラ化)の作製を致します。他のサブクラスへのクラススイッチ抗体の作製、ヒト由来以外の定常領域への置換も承ります。
本ヒト化サービスは、前のステップで作製されたキメラ化抗体の抗原特異性を基準として実施します。オプションとして、抗原結合性を回復するためのバックミュータント作製も承ります。
なお、本サービスは免疫原性がないことを保証するものではありません。予め、ご了承ください。
抗体のヒト化
抗体のヒト化は、主に治療目的で使用されるモノクローナル抗体を改変して、人間の免疫系に受け入れやすくする技術です(免疫原性の低下)。
非ヒト動物由来の抗体から定常領域をヒト配列に改変(ヒトキメラ化)し、可変領域の結合性に関わらない部分(フレームワーク)をヒト化していきます。抗原との結合に重要な配列を変更しなくても、抗体の改変で抗原結合性や発現量・安定性が変化することがあるため、バックミューテーションにより低下した機能を回復させて完成形を目指します。(
fig.1)
【抗体のキメラ化】
お客様から抗体遺伝子をご提供いただき、in silicoで定常領域をヒト由来のものに置換します。キメラ化した抗体遺伝子をベクターにクローニング後、哺乳細胞に一過性発現させ、ELISAまたはフローサイトメトリーで抗原結合性試験を実施し、発現量と抗原結合性を測定いたします。
サービス項目 |
価格(税抜) |
納期 |
抗体のキメラ化 |
¥850,000 |
約2ヶ月 |
* 抗体のヒト化をご依頼いただく場合、¥750,000で承ります。
* 指定がなければ富士フイルム和光純薬社インハウスベクター(Amp耐性プラスミド)に挿入いたしますが、ご希望のベクターを使用することも可能です。
* 作業報酬制をとっており、結果の保証はできかねます。
【抗体のヒト化】
in silicoより、ヒトのGermlineをベースに可変領域のフレームワークを置換いたします。
候補配列をベクターにクローニング後、哺乳細胞で一過性発現させ、ELISAまたはフローサイトメトリーにより抗原結合性試験を実施いたします。キメラ抗体と候補抗体で発現量と抗原結合性を比較いたします。
候補配列の数と組み合わせにより、価格が変動いたします。
サービス項目
| 価格(税抜) |
納期 |
抗体のヒト化 |
1 候補抗体(H鎖:L鎖=1:1) |
¥1,000,000 |
1~2ヶ月 |
25 候補抗体(H鎖:L鎖=5:5) |
¥2,000,000 |
2~3ヶ月 |
100 候補抗体(H鎖:L鎖=10:10) |
¥5,000,000 |
2~3ヶ月 |
* 候補抗体とキメラ抗体で発現量と抗原結合性を比較いたします。
* ヒト化による免疫原性の低下は保証はできかねます。
* 指定がなければ富士フイルム和光純薬社インハウスベクター(Amp耐性プラスミド)に挿入いたしますが、ご希望のベクターを使用することも可能です。
* 作業報酬制をとっており、結果の保証はできかねます。
【オプション】
抗体ヒト化により、抗原結合性が減少することがあり、回復させる方法として、バックミュータントの作製がございます。
ヒト化により変異させたアミノ酸の一部を元に戻すことで、抗原結合性の回復を行います。
サービス項目 |
価格(税抜) |
納期 |
バックミュータントの作製 |
¥450,000/変異 |
約2ヶ月 |
* H鎖とL鎖を1変異ずつ戻し、ヒト化前のH鎖とL鎖を含めて掛け合わすことで、抗原結合性の回復を確認します。(2×2=4 候補抗体)