Cancer Precision Medicine:CPM / Cancer Precision Medicine ID: J01678

TCR/BCRレパトア解析 ID: J01678

サービスについて

概要

T/B細胞は、細胞膜上に発現しているTCR/BCRによって抗原を認識します。あらゆる抗原に反応するために、遺伝子再構成によるTCR/BCRの多様性(レパトア)が生み出されます。「TCR/BCRレパトア解析」によって、生体内での免疫状態変化のモニタリングや、疾患に関連するリンパ球の同定を行うことができます。

特長

  • 日本国内完結型の受託解析サービス
  • 単一セットのプライマーを用いた5’RACE法により、遺伝子増幅のバイアスおよびノイズを抑制
  • 各転写産物を識別するアダプターを用いてPCR duplicationを除去
  • cDNAを用いた解析により、リンパ球内で発現している機能的なTCR/BCR遺伝子の情報を取得
  • 専用アプリケーション「ImmunoGrapher®」によるデータ解析の簡易化

解析内容

ヒトおよびマウスの末梢血単核球(PBMC)や組織から抽出されたRNAを用いて、次世代シーケンスにより定量的にTCRやBCRの遺伝子配列を決定し、リンパ球クローンの種類や頻度を解析します。(fig.1

解析対象 TCR:α鎖、β鎖
BCR:重鎖(IgG、IgM、IgA、IgD、IgE)、軽鎖(IgK、IgL)

①サンプル RNA
対象生物種:ヒト・マウス
材料:PBMC、組織
②ライブラリー作製 ・ライブラリー作製試薬
各転写産物を識別するアダプターの付加
5’RACE法によるTCR/BCR配列の増幅
③シーケンシング ・シーケンス機器
MiSeq
④データ解析 ・専用アプリケーション「ImmunoGrapher®
 お客様自身で必要なデータを簡単に取得していただけます
TCR/BCRクローンの遺伝子情報
TCR/BCRクローンの頻度分布
多様度指数
共通クローンの比較
クローン検出頻度の相関

ライブラリー作製
ご提供いただいたtotal RNAの品質確認を行った後、cDNA合成時にPCR duplicationの除去を可能とする配列を含むアダプターを付加します。単一プライマーセットを用いた5’RACE法によりバイアス・ノイズを抑制したTCR/BCR遺伝子配列を増幅後、各サンプルにIndex(Nextera XT Index Kit v2 Set、Illumina)を付加し、シーケンスライブラリーを作製します。

シーケンシング・TCR/BCR遺伝子の決定
次世代シーケンサー Miseq(Illumina)を用いて、TCR/BCR由来の塩基配列を取得し、TCR/BCR遺伝子(V遺伝子、J遺伝子、CDR3領域)を決定します。

専用アプリケーション「ImmunoGrapher®」によるデータ解析
データ管理・グラフ作成アプリケーション「ImmunoGrapher®」により、お客様ご自身で以下の解析データを簡単に取得していただくことができます。(詳細はお問い合わせください。)

①TCR/BCRクローンの遺伝子情報 TCR/BCRの各鎖のV遺伝子情報、J遺伝子情報、CDR3領域のアミノ酸配列、各TCR/BCRクローンの検出頻度
②TCR/BCRクローンの頻度分布 「①TCR/BCRクローンの遺伝子情報」で得られた各クローンの検出頻度を円グラフで示すことができます。
円グラフを用いることによって、各クローンの偏りを視覚的に確認することができます。

クローンの検出頻度を表す円グラフの例

③多様度指数 TCR/BCRの各鎖の多様度を逆シンプソン指数で示します。多様度が高い場合、多様度指数は大きくなります。
治療前後や感染の有無で生じるTCR/BCRの多様性変化を検証することができます。
④サンプル間の共通クローンの比較 基準とするサンプルから検出されたクローンについて、その他のサンプルにおける検出頻度を棒グラフもしくはヒートマップで示します。

検出頻度を表す棒グラフの例 検出頻度を表すヒートマップの例

⑤サンプル間のクローン検出頻度の相関 選択した2サンプル間のクローン検出頻度の相関を示します。

ククローン検出頻度の相関図の例

 解析の利用例
  • 自己免疫疾患…疾患関連TCRの探索、免疫反応モニタリング
  • がん免疫療法…腫瘍特異的TCRの探索、腫瘍浸潤リンパ球由来TCRの検出
  • 臓器移植後の拒絶反応…移植後の免疫状態の評価、GVHD・GVLの予測
  • 感染症…ウイルス特異的TCR/BCRの探索
  • 食物・その他のアレルギー…アレルギー関連TCR/BCRの探索
  • 薬疹・薬剤誘導性肝障害…免疫応答の分子機構の解明

データ解析サポート
ご要望に応じて納品後もデータ解析等サポートいたします。研究内容に沿った解析の提案もいたしますので、ご相談ください。

ご提供いただくサンプル

以下の条件を満たさない場合や、ウイルス等による感染性が疑われるサンプルの場合は事前にご相談ください。 CPM社にて品質確認後、基準を満たさない場合はご連絡いたします。

対象生物種 材料 必要量・品質 保存容器 保存方法 備考
ヒト
マウス
RNA ・PBMC由来:300 ng以上
・組織由来:2 μg以上
・RIN 6.0以上またはOD(260/280)1.8~2.2
1.5~2 mLチューブ -80℃ サンプルに含まれるT/B細胞由来のtotal RNA量が少ない場合、ライブラリーを作製できないことがございます。

サンプルのご送付

解析に必要なサンプルを、CPMクリニカルラボまでご送付ください。月~金曜日(祝祭日を除く)着にて手配をお願いいたします。解析内容により、送付日の調整をさせていただく場合がございます。

  • サンプルには、解析依頼書別紙「サンプルリスト」を同梱してください。
  • 各サンプルチューブ(もしくはプレート)に、解析依頼書別紙「サンプルリスト」に記入したサンプル番号もしくはサンプル名を明記してください。
  • サンプルは、以下の輸送条件にて着払いでご送付ください。
サンプルの保存条件 輸送条件
超冷凍(-80℃) ドライアイス梱包・冷凍便

納品物

以下のデータを納品いたします。

解析結果報告書 Total RNAの品質確認結果(RNA量、RIN)およびシーケンス出力データ(シーケンシングの総リード数)
TCR/BCRシーケンス結果 専用アプリケーション「ImmunoGrapher®」へアップロードいたします。

納品方法:メール添付および解析用アプリケーション「ImmunoGrapher®」へアップロード
     (納品時にログイン用パスワードをご連絡いたします。)
      *「ImmunoGrapher®」へのデータアップロード期間:納品より3ヶ月

ご注文に関して

以下のファイルをご利用の上、お問い合わせフォーム からご送付ください。

専用注文書類

参考価格・納期

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