概要
安価で迅速なヒトおよびウサギモノクローナル組換え(リコンビナント)抗体探索受託サービスです。ヒトモノクローナル抗体探索は、抗体医薬品の研究をはじめ、特異性の高い疾患マーカー抗体の探索や自己免疫疾患、COVID-19など感染症の研究にも有用です。ウサギモノクローナル抗体探索は、マウス由来抗体の取得に代わる有用な手段です。ウサギは他の動物種より低分子化合物やペプチド抗原に対して多様な抗体を産生し、
かつ親和性が高いとされています。
世界最速の抗体取得技術(特許技術)【Ecobody技術】
Ecobody技術は名古屋大学大学院生命農学研究科の中野秀雄教授らが開発した特許技術を基にした抗体探索手法です。従来、数ヶ月かかっていた抗体の探索工程(血液採取~抗体評価)を世界最速の2日間で実施できるようになりました。
具体的には、微量血液中のB細胞を材料とし、シングルB細胞からモノクローナル組換え抗体遺伝子の増幅・発現・性能評価までのすべての工程を試験管内で行います。既存技術では、モノクローナル組換え抗体の発現評価に動物細胞を用いる方法が主流ですが、iBody社では独自技術により、無細胞タンパク質合成系で活性型抗体を効率よく作製し、評価することができるようになりました。(
fig.1)
モノクローナル組換え抗体 探索の流れ
- ヒト:末梢血からB細胞画分を回収する。
ウサギ:抗原で免疫したウサギの末梢血からB細胞画分を回収する。
- 蛍光標識された抗原と反応させて、目的の抗体を発現しているB細胞を選別し、フローサイトメーターで1細胞ずつソーティングする。
- 得られた細胞のcDNAを調製しPCRをかけ、抗原特異的抗体の遺伝子(L鎖およびH鎖の可変領域)を増幅させる。
- 無細胞タンパク質合成系を用いて、PCR産物から抗体を作製する。
- 得られた抗体の活性をELISAで評価する。
- 活性評価が良い抗体の配列を複数個選んでDNA配列を解析する。
Ecobody技術と他手法の比較
|
Ecobody技術 |
ハイブリドーマ法 |
ファージ ディスプレイ法 |
適用動物 |
ヒト・ウサギ |
マウス |
不使用 |
時間 |
最短2日(*) |
数ヶ月 |
7週間 |
培養操作 |
不要 |
必須 |
必須(大腸菌) |
要素技術 |
試験管内での 抗体発現 |
細胞融合・培養 |
大腸菌発現 |
自然抗体の取得 |
可 |
可 |
困難 |
取得抗体 |
フォーマット |
改変Fab (IgGへ変換可能) |
IgG |
Fab |
数 |
複数取得可能 |
数種類 |
数種類 |
*免疫反応は含みません。本受託サービスでは、通常4~8週間で解析結果をご報告いたします。
Ecobody技術によるモノクローナル抗体取得の例
ヒト血液からの抗核抗体の取得実績
Ecobody技術によりヒトの血液から自己免疫疾患に関連する「抗核抗体」を取得した。取得されたヒト抗体は典型的な抗核抗体の染色像を示した。(fig.2)
ウサギモノクローナル抗体取得の取得実績(抗cAMP抗体)
マウスでは取得困難な低分子化合物(cAMP)に対する抗体を1週間で取得!(fig.3)