概要
Super-enhancer LncRNA(SE-LncRNA)Arrayは、スーパーエンハンサー(SE)領域から転写されたLncRNAを、対応するSE制御タンパク質コード遺伝子とともに体系的にプロファイルする様に設計されています。
サンプルから出版可能なデータまで、包括的なSE-LncRNAのサービスを提供しています。
特長
- SE-LncRNAとSuper-LncRNAの包括的なコレクション
- SE-LncRNAに関連する標的mRNA遺伝子の同時プロファイリング
- 転写因子とがん遺伝子の全セット
- SE-LncRNA、スーパーエンハンサー、および標的の詳細なアノテーション
- 明確で信頼性の高いSE-LncRNAアイソフォーム検出
- 不安定なSE-LncRNAの高感度検出のための効率的な標的標識
- RNA-Seqよりも優れたLncRNAの定量
(強力なSE-LncRNAコレクション)
- 包括的かつ、高品質でシステマチックなLncRNAの編集のためのプレミアムトランスクリプトーム、およびLncRNAデータベースを使用したLncRNAを基盤としています。
- - RefSeq、UCSC knownGene、GENCODE、LncRNA db、RNA db、NRED、およびIncRNA一覧などの公的データベースから信頼性の高いLncRNAを調達
- - 十分にアノテーションがつけられ、実験的に研究されたゴールドスタンダードのLncRNAを、およびPubmedインデックス付きLncRNA
- - 継続的な出版物のレビューとセレクションによるLncRNAのキュレーション
- スーパーエンハンサー領域は、dbSUPERデータベースに一覧化されています。
- SE-LncRNAは、LncRNAをスーパーエンハンサー領域にマッピングすることによって同定されます。
(ユニークなエキソンまたはスプライスジャンクションアレイプローブ)
実験的観察、定量、相関および正確な制御関係の確立を目的とした、SE-LncRNAとその標的遺伝子の同一アレイ上での同時プロファイリングを行います。また、SE-LncRNAの転写産物アイソフォームは、細胞あたり1つの転写産物で高い感度で、ユニークなエキソンまたはスプライスジャンクアレイプローブ(fig.1)によって、明確に、特異的かつ確実に検出されます。
(スーパーエンハンサー、SE-LncRNAおよびそれらに関連する標的コード遺伝子についての詳細なアノテーション)(fig.2)(fig.3)
- *SE-LncRNAのアノテーションは以下のものを含んでいます。
- transcript ID、gene symbolおよびalias、ゲノム遺伝子座、配列および長さ、細胞内局在、関連する細胞または組織の種類、がんおよび疾患、重複したスーパーエンハンサー情報
- *標的コード遺伝子の注釈は以下の通りです。
- 重複したgene symbolとID、近位のgene symbolとgene ID
アレイデザインの背景
Arraystar社は、ヒト、マウス用のSE-LncRNAアレイを開発し、SE-LncRNAとそのシスまたはトランス調節コード遺伝子を同じアレイ上で包括的、系統的かつ高感度にプロファイリングします。
Super-enhancer LncRNAについて
Super-enhancer LncRNAは、新規クラスのマスターRNA調節因子として出現しており、スーパーエンハンサーゲノム遺伝子座から転写された、long-noncoding RNAの特別なセットです。
SE-LncRNAは、スーパーエンハンサーとともに、転写因子トラッピング、クロマチンルーピング、クロマチン修飾、PolIIローディング、及び転写抑制因子の放出のメカニズムによって近くの遺伝子発現を活性化します(
fig.4)
また、SE-LncRNAは、標的遺伝子をトランス活性化することが増えています[1]。
SE-LncRNAは、多くのヒト疾患と関連しており、それらの発現は深刻な表現型の変化を示しています[1-3]。
生物学および疾患におけるマスターレギュレーターRNA
Super-enhancer LncRNAは、最終的に細胞型、細胞の同一性、および疾患を決定する多様な遺伝子発現プログラムにおいて主要な調節的役割を果たしています。例えば、SE-LncRNAのCERNAおよびDRRRNAは、マスター転写因子MyoDおよび筋形成遺伝子を自己調節して筋形成をオンにします[2]。多くのSE-LncRNAはがんと密接に関係しています。良い例は、MYC遺伝子の上流にあるCCAT1-Lです。それは、エンハンサー・プロモーターループ形成を媒介して、MYC発現を活性化し、そして結腸直腸がんの進行を促進させます[3]。
Arraystar社は、SE-LncRNA、標的遺伝子、転写因子、およびがん遺伝子を同時にプロファイリングするためのSE-LncRNAプロファイリングソリューションを開発し、それらの制御下にあるSE-IncRNAおよびコード遺伝子の調査を加速させます。
データベース
Human SE-LncRNA Array
プローブ総数 |
14,873 |
プローブ長 |
60nt |
プローブ選択領域 |
SE-LncRNA転写産物特異的スプライスジャンクションまたはエクソンを標的とするプローブ |
プローブ特異性 |
転写物固有 |
ラべリング方法 |
低コピー数の転写物を高感度で検出するための蛍光標識標的cRNAを生成するための効率的かつ強力なリニア増幅法 |
SE-LncRNAとSuper-LncRNA |
7,753 |
SE-LncRNA標的コード遺伝子 |
7,040 |
SE-LncRNAのソース |
dbSUPERデータベースに登録されているスーパーエンハンサー遺伝子座にマッピングされた、Arraystar Premiumトランスクリプトームデータベースから得たゴールドスタンダードのLncRNAと信頼できるLncRNA。スーパーエンハンサーと重複したLncRNAは、SE-LncRNAとして同定され、アノテーションが付けられている。
ゲノム遺伝子座が一覧化されたスーパーエンハンサー遺伝子座と重複する。文献[4、5]に由来するエンハンサーLncRNA。 |
Super-LncRNAのソース |
Super-LncRNAは、スーパーエンハンサー内の複数のアンカーDNA部位を有するRNA:DNA:DNA三重鎖を形成し、スーパーエンハンサーへの調節因子を導入するlong noncoding RNA。Super-lncRNAはクロマチン構成に影響を及ぼし、スーパーエンハンサー[6]に関連する重要な組織特異的遺伝子の空間的な増幅部位として機能する。 |
SE-LncRNA標的コード遺伝子のソース |
SE-LncRNAゲノム遺伝子座と重複するか、または転写開始部位(TSS)がSE-LncRNAゲノム遺伝子座境界の50kb以内にあるRefSeq遺伝子をSE-LncRNA標的コード遺伝子として収集する。これらの遺伝子は、TFチェックポイントデータベース由来の3,153の転写因子(TF)、およびブッシュマンラボデータベース由来の1,448のがん遺伝子を含む。 |
アレイフォーマット |
8×15K |
Mouse SE-LncRNA Array
プローブ総数 |
14,637 |
プローブ長 |
60nt |
プローブ選択領域 |
SE-LncRNA転写産物特異的スプライスジャンクションまたはエクソンを標的とするプローブ |
プローブ特異性 |
転写物固有 |
ラべリング方法 |
低コピー数の転写物を高感度で検出するための蛍光標識標的cRNAを生成するための効率的かつ強力なリニア増幅法 |
SE-LncRNAとSuper-LncRNA |
8,222 |
SE-LncRNA標識コード遺伝子 |
6,385 |
SE-LncRNAのソース |
dbSUPERデータベースに登録されているスーパーエンハンサー遺伝子座にマッピングされたArraystar Premiumトランスクリプトームデータベースから得たゴールドスタンダードのLncRNAと信頼できるLncRNA。スーパーエンハンサーと重複したLncRNAは、SE-LncRNAとして同定され、アノテーションが付けられている。 |
SE-LncRNA標的コード遺伝子のソース |
SE-LncRNAゲノム遺伝子座と重複するか、または転写開始部位(TSS)がSE-LncRNAゲノム遺伝子座境界の50kb以内にあるRefSeq遺伝子をSE-LncRNA標的コード遺伝子として収集する。これらの遺伝子は、TFチェックポイントデータベース由来の2,883の転写因子(TF)、およびSBCDDBデータベース由来の593のがん遺伝子を含む。 |
アレイフォーマット |
8×15K |
ワークフロー
サンプル調製から詳細なデータ分析まで、フルサービスのSE-LncRNA Arrayプロファイリングを提供
- RNA単離(オプション)
- RNA QC
- cDNA合成
- Cy3による効率的な標識によるターゲット調製
- アレイハイブリダイゼーション、洗浄、およびスキャン
- データの抽出、解析および要約
参考文献
- Bradner JE, Hnisz D, Young RA: Transcriptional Addiction in Cancer. Cell 2017, 168(4):629-643.[PMID:28187285]
- Alvarez-Dominguez JR, Knoll M, Gromatzky AA, Lodish HF: The Super-Enhancer-Derived alncRNA-EC7/Bloodlinc Potentiates Red Blood Cell Development in trans. Cell Rep 2017, 19(12):2503-2514.[PMID:28636939]
- Xiang JF et al: Human colorectal cancer-specific CCAT1-L lncRNA regulates long-range chromatin interactions at the MYC locus. Cell Res 2014, 24(5):513-531.[PMID:24662484]
- Vucicevic D et al: Long ncRNA expression associates with tissue-specific enhancers. Cell Cycle 2015, 14(2):253-260.[PMID:28241135]
- Hon CC et al: An atlas of human long non-coding RNAs with accurate 5’ ends. Nature 2017, 543(7644):199-204.[PMID:28241135]
- Soibam B: Super-lncRNAs: identification of lncRNAs that target super-enhancers via RNA:DNA:DNA triplex formation. RNA 2017, 23(11):1729-1742.[PMID:28839111]