概要
VectorBuilderは、他社が追随できない価格と早い納期で、ご希望の遺伝子編集を持つ安定した細胞株作製サービスを提供します。 VectorBuilderは、実験のニーズと使う細胞株の特性に基づいてカスタマイズしたベクターをデザインおよびカスタム構築します。トランスフェクション、エレクトロポレーション、またはウイルスによる形質導入を適切に使用して、目的のDNA編集を標的細胞に導入します。標準的な薬剤選択に続いて、ポリクローナル細胞集団またはモノクローナル細胞株が継代培養され、検証し、すぐに使用できる状態で納品されます。細胞はATCCの規格に従い、コンタミネーションのない、望ましい遺伝子型の、信頼できる細胞であることを証明して納品します。
提供している安定細胞株の種類
- 過剰発現安定細胞株
- shRNAノックダウン安定細胞株
- Tet誘導性遺伝子安定発現細胞株
- CRISPR安定細胞株 (遺伝子ノックアウト、ノックイン、ポイントミューテーションを含む)
安定発現細胞株のテクニカル情報
- 遺伝子過剰発現(fig.1)
目的遺伝子(Gene of Interest: GOI)を過剰発現する安定発現細胞株では、一過的発現(ライポフェクションなどのトランスフェクション)によるバリエーションの問題を克服します。安定発現細胞株は、レンチウイルス感染による形質導入とそれに続く薬剤の選択によって分離します。単離された各細胞株のGOI発現レベルはRT-qPCRによって検証します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。ウエスタンブロットや免疫染色などはカスタムQCとしてご要望に応じて実施します。
- shRNA 遺伝子ノックダウン(fig.2)
目的遺伝子(Gene of Interest: GOI)の長期的ノックダウンにはshRNAノックダウン安定細胞株が有効です。 GOIノックダウンを確実にするために、ノックダウンスコアに基づいて上位3種類のshRNAをパッケージングしたレンチウイルス3種類をターゲット細胞に別々に形質導入します。 RT-qPCRにより、最も高いノックダウン効果を表す細胞株を納品します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。
- Tet 誘導性遺伝子発現(fig.3)
VectorBuilderは、最小限のバックグラウンドと目的遺伝子の高い発現誘導能を備えた、Tet誘導性遺伝子発現安定細胞株をカスタム受託作製します。また、Tet調節タンパク質遺伝子(rtTA、tTS / rtTAなど)の安定発現細胞株を作製し、同一のドライバーを使って様々なTRE-GOIプラスミドまたはウイルスをトランスフェクト/形質導入するような細胞構築にもご対応します。柔軟な研究計画に対応するために、必要な条件を弊社までご連絡ください。弊社で受託作製した安定発現細胞株は、GOIの誘導をRT-qPCRで検証し、充分な遺伝子誘導が確認された細胞のみを選別、系統化します。確立した安定発現細胞株は、無菌試験、マイコプラズマ試験など、一連の標準的QCアッセイに合格したことを示す品質検査証明書(COA)とともに納品されます。
- 遺伝子ノックアウト(fig.4)
GOIを永久にノックアウトする安定細胞株の作製は、CRISPRツールを使用します。このアプローチではGOIをターゲットするgRNAのペアーをCas9とともにターゲット細胞に導入され、ターゲット遺伝子に2ヶ所の切断が生じます。細胞が切断部位を修復した結果、ターゲット遺伝子内に大きな欠失が生じます。 ベクタービルダーでは、ターゲット遺伝子の機能的に重要な領域に隣接するようにgRNAペアーを設計するため、遺伝子機能の完全欠損細胞株が高確率で得られます。
細胞の種類に応じて、レンチウイルスまたはプラスミドのいずれかを使用してターゲット遺伝子のノックアウトを実施します。分離された細胞株は、ターゲット遺伝子座のサンガーシーケンシングによってノックアウトを評価します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。
- 遺伝子ノックイン(fig.5)
目的のゲノム上のターゲットサイトにGOIをノックインする安定細胞株の作製には、 CRISPRツールを使い、標的部位に特異的なgRNA、Cas9およびドナーベクターを細胞に導入します。
最終的な細胞株は、標的ゲノム領域をサンガーシーケンシングで確認することによってノックインを評価します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。
- ポイントミューテーション(fig.6)
目的遺伝子のターゲット部位に、目的に沿ってデザインしたポイントミューテーションを持つ安定発現細胞株の作製は、CRISPRツールを使用します。このアプローチでは、Cas9とHDRを介したポイントミューテーション挿入テンプレートとして機能する一本鎖ドナーオリゴヌクレオチド(ssODN)、そして標的部位特異的gRNAを細胞に導入します。
得られた細胞株は、標的遺伝子座のサンガーシーケンシングによってポイントミューテーション有無を確認します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。