皮膚ガスとは
皮膚ガスは、皮膚から放散される揮発性の代謝物質が含まれており、体のにおいとして認知される生体ガスの一種です。(
fig.1)
皮膚ガスを測定することにより、体臭、加齢臭等に含まれる種々の成分を明らかにできることから、香料・化粧品開発企業でのスメルケア製品開発・改良等に利用が見込まれます。
また、皮膚ガス成分は、身体的・生理的状態および生活環境等で変化することから、機能性表示食品開発等におけるヒト試験での有効性検証での利用や、メディカルヘルスケア分野における未病・健康状態の指標となるバイオマーカーとしての利用が期待されています。
さらに最近では、皮膚ガス測定によりストレス状態や疲労度もわかることから、メンタルヘルス分野への応用も注目されています。
HMTでは、生体ガス分析サービスを提供するAIREX株式会社との提携を通じ、香料・化粧品分野、食品分野、メディカルヘルスケア分野において、ソリューション開発を推進するアカデミア・企業の研究開発を支援し、ヒト皮膚ガス測定サービスの応用分野の拡充を目指してまいります。
皮膚ガスは全く痛みが伴わない非侵襲に生体情報を入手する解析手段として優れていますが、一般に、専用の設備を必要とした研究室におけるサンプル採取などが必要です。
AIREX社における皮膚ガス測定においては、サンプルの採集に、PFS(Passive Flux Sampler)法を用いることを特徴としています。
PFS(Passive Flux Sampler)法は東海大学理学部の関根嘉香教授が開発した皮膚から発生するにおい成分を直接採取する方法で、小型でシーンを選ばずに電源も必要としない皮膚ガス採取方法です。これにより、非侵襲的に簡便且つ定量的に皮膚ガスを捕集し測定することが可能となります。
サービス内容
HMTではAIREX社と提携し、お客様のニーズに合わせたヒト皮膚ガス測定サービスをご提供しています。
検査名 |
項目 |
説明 |
一斉定量分析 |
70物質以上を対象とした分析(測定対象は定量分析化合物リスト-1参照) |
皮膚ガスとして検出実績のある約75成分の一斉分析 |
ラクトン定量分析 |
γ-デカノラクトン、γ-ウンデカノラクトン |
若年女性特有の皮膚ガスとして知られる桃の香りの定量分析 |
加齢臭(酸化臭)成分定量分析 |
2-ノネナール、ジアセチル、ノナン酸 |
40代以降の男女で増える2-ノネナールと、30代の男性で増えるジアセチルおよびノナン酸の定量分析 |
腋臭成分定量分析 |
定量分析化合物リスト-2参照 |
腋臭症のニオイ成分の定量分析 |
疲労臭成分定量分析 |
定量分析化合物リスト-2参照 |
緊張による精神性発汗にともない発生するニオイ成分の定量分析 |
* 本サービスは大学・企業・クリニック等を対象としております。