概要
バルクでの解析では個々の細胞の転写産物がプールされ構成細胞の平均値が結果となりますが、シングルセル解析では細胞一つ一つについて解析することができ、バルク解析で見えてこなかった細胞ごと発現プロファイルを得ることができます。
-
シングルセル
シングルセルレベルで遺伝子発現を網羅的に解析します。
シングルセル解析において品質の良いデータを得るためには、細胞調製の工程が非常に重要となります。コストに見合う試験結果をご提供できるよう、必要に応じてご依頼前に試験サンプルに関してインタビューを行い、品質の良いデータを得るための条件検討サポートを標準サービスとして実施しています。
-
シングル核
シングル核レベルで遺伝子発現を網羅的に解析します。
シングル核解析において品質の良いデータを得るためには、サンプルの適切な裸核条件の検討工程が非常に重要となります。コストに見合う試験結果をご提供できるよう、ご依頼前に試験サンプルに関してインタビューを行い、品質の良いデータを得るための裸核の条件検討から実施いたします。
特長
- 丁寧なビフォア・アフターサポート
15名以上のPh.D.が在籍しており、技術サポート体制に力を入れています。
- リーズナブルで高品質なシーケンス
複数の国内外シーケンスプロバイダーと提携し、低価格・高品質を実現します。
- 目的に応じたカスタムメイド解析
基本解析からオーダーメイドの高次解析・統合解析まで幅広く対応します。
- 付帯費用ナシ
データ転送費などの付帯費用は全てサービス価格に含まれています。
シングルセルレベルで解析する意義
- 細胞の分類:データをもとにした分類で細胞集団の内訳の把握
- 細胞集団の比較:細胞集団間の差異、機能的特徴の発見
- 新しい細胞集団の発見:細胞亜集団の発見・機能解析によるバイオマーカー・創薬標的の発見
- 細胞決定の道筋をたどる:擬似的な時間軸の発見・細胞運命分岐の発見
サンプル受入要件
・接着細胞の場合は50万個以上を推奨(浮遊細胞の場合はお問い合わせください)
・凍結融解後の細胞生存率が90% 以上を推奨(自動セルカウンターに加え、目視によるカウントを推奨)
* 詳細はお問い合わせください。凍結保存によって十分な細胞生存率が保てない場合や、細胞数が少ない場合は、細胞数・濃度・細胞のタイプなどの詳細を確認させていただき、サンプル調製方法や輸送方法を検討することでお受けできる場合がございますので、お問い合わせください。
サービス内容
- 生データプラン
シーケンスにより取得したfastqデータ(生データ)のみを納品するプランです。
- ベーシック解析プラン
基本解析を実施するプランです。種々の描画により、個別サンプル間のばらつきをスピーディに俯瞰頂けます。
- スタンダード解析プラン
ベーシックプランの解析内容に加え、ご希望の解析をオプションでお選びいただき実施するプランです。
- オーダーメイド解析プラン
ご研究目的やご要望の図版、参考文献等に応じて、標準サービスメニュー外のカスタム解析を実施します。解析目的・内容の擦り合わせのため、原則としてご依頼前に当社研究員とのWebミーティングが必要です。
* オーダーメイド解析プランについてはプロジェクトの混雑状況によりお受けできない場合があります。ご了承ください。
スタンダード解析例
- メガクラスター解析(fig.1)
メガクラスター解析では、細胞集団の組成の予測、新規の細胞集団の探索・アノテーション、細胞状態の変化のメカニズム予測といった異なる目的に応じて適切な細胞集団のレゾリューションを使い分けられるように、10パターンのクラスタリング結果をご納品します。
メガクラスター解析で得られる結果は細胞の多様性の理解へと繋がります。種々の解析ツールとの互換性が非常に高いため、擬似時間軸解析や細胞間のインタラクトーム解析などのカスタム解析を行うことでさらなるバイオロジカルな解釈が可能となる拡張性の高いデータである点が特徴です。
- 細胞種アノテーションの付与(fig.2)
細胞種アノテーションの付与では、各クラスターの特徴遺伝子と既知の細胞マーカーの情報を比較し、細胞種の予測を行います。
- Pseudo Bulk解析
Pseudo Bulk解析では、特定の細胞集団を擬似バルクとして扱い、群間比較解析や発現量の可視化を行います。
- 疑似時間軸解析(Pseudo-time解析) (fig.3)
疑似時間軸解析(Pseudo-time解析)では、類似した発現パターンを示す細胞を辿ることで、細胞の状態がどのように移り変わっていくかの細胞経路を予測します。
- RNA velocity解析(fig.4)
RNA velocity解析では、mRNAのスプライシング量変化を予測し、細胞がどのような状態に変化しているかの方向と速度を予測します。
- 細胞間のインタラクトーム解析(fig.5)
細胞間のインタラクトーム解析では、リガンド・リセプターの関係性に基づき、クラスター間の相互作用を予測します。