概要
本サービスは、通常の抗原投与マウスに対しフロンティア研究所が樹立した細胞株投与による腹水化を行うことで、マウス血清では量の確保が困難であった精製IgGを腹水からも回収することが可能になりました。
ポリクローナル抗体作製には、主に免疫動物としてウサギ、ラット、モルモットなどが用いられますが、
1)投与抗原量の確保が困難
2)免疫個体数を多くして反応性の高い個体を選抜したい
3)数10mLの血清量は不要
などの理由により、マウスを免疫動物として選択したいお客様のご要望にお応えします。
通常マウスの全採血では、血清量が約500μL程度と少なく、量を希望するお客様には複数匹の免疫をお勧めしておりましたが、腹水を回収することにより、効率よく抗体を回収できるようになりました。
* マウス1匹から得られる腹水量は 0.5~5mL
* 抗体量は100μg~1mg(マウスの抗体価上昇の程度に左右されます)
性能について
回収された腹水には目的のポリクローナル抗体が含まれており、血清と比較しても遜色のない性能が期待できます。リコンビナントタンパクを抗原として投与、腹水回収、血清採取して抗体価比較を行った結果、(
fig.1)のように、腹水でも十分な抗体価の上昇が確認できました。