次世代シーケンサーを用いて、ゲノム配列が未知の生物種(リファレンス配列の無い生物種)についてゲノムDNAのシーケンスを行い、取得した配列情報を用いて新規ゲノム構築(de novo アセンブル)を行います。ホールゲノムシーケンス(WGS)とも呼ばれます。
推定ゲノムサイズに応じて、取得するデータ量を調整します。
また、シーケンスを行うための装置やライブラリの調製法を検討することで、目的や状況に応じた対応が可能です。
アプリケーション例
PacBioシーケンスとショットガンシーケンスの2つの手法のご用意がございます。
PacBioシーケンスは、数十kb のロングリードの取得が可能なPacBioシーケンサーを利用することで、完全長ゲノムDNAの構築を目指す手法です。特長としては、コンティグ数が少なく、ギャップが生まれにくいことが挙げられます。
一方、従来のショットガンシーケンスでは、サンプルのゲノムサイズよっては安価に解析が可能です。目的やご要望に応じて、最適な仕様でご案内をします。
PacBio シーケンス(数十kb のロングリードシーケンス)(fig.2)
取得データ量の目安は、推定ゲノムサイズの20~30倍程度になりますので、推定ゲノムサイズが数Mb程度のバクテリアのゲノムシーケンスでは、Revio相乗りプランがお勧めです。
ゲノムサイズの大きい生物種になりますと、Revioの1Cell Run仕様をお勧めしております。
<取得データ量の目安>
【1 Cell Run】
PacBio Revio(HiFi Read) :60~90 Gb程度/Cell
【相乗りプラン】
PacBio Revio(HiFi Read, 200Mb):ゲノムサイズ10Mb未満のバクテリア向け
PacBio Revio(HiFi Read, 500Mb):ゲノムサイズ25Mb未満のバクテリア向け
* 取得データ量 1Gb, 5Gbの相乗りプランもございます。
<代表的な仕様>
・PacBio HiFi Library
・シーケンス条件:PacBio Revio, 1 Cell Run
・データ解析 :de novo アセンブル, ギャップクロージング
ショットガン シーケンス(DNAシーケンス)
イルミナ社のショートリードのシーケンサー(NovaSeq X Plus)を用いて、低コストに大量のデータを取得します。ゲノム解析を進める際の基本となるデータになります。
取得データ量の目安は、推定ゲノムサイズの 20~30倍程度になります。
<代表的な仕様>
ライブラリ調製:TruSeq DNA PCR-Free もしくは TruSeq Nano DNA Kit
シーケンス条件:NovaSeq X Plus, 150bp, paired end, 数十~数百 Gb /sample
データ解析 :de novo アセンブル、遺伝子予測・BLAST検索(アノテーション付加)