概要
遺伝子(DNA)配列、あるいはアミノ酸配列が分かっているタンパク質を、遺伝子組換えの手法を用いて宿主細胞に生産させ、さらに生産されたタンパク質を分離・精製して提供するサービスです。
コンストラクトの設計から精製方法の選択まで、対応いたしますのでお気軽にお問い合わせください。 
本サービスは、組換えタンパク質の製造実績が豊富な株式会社プロテイン・エクスプレスとの業務提携により提供します。
[こんな人にオススメ]
- 抗体作製に利用する抗原タンパク質あるいは抗原ペプチドを製造したい。 
- 機能解析、立体構造解析に用いるタンパク質を製造したい。 
- 構造を改変したタンパク質を製造したい。 
サービスの流れ
- 発現ベクターの構築
 タンパク質発現用ベクターおよび目的タンパク質をコードするDNAをご提供いただき、発現ベクターを構築します。
 目的タンパク質をコードするDNAをお持ちでない場合も、人工遺伝子合成から対応することが可能です。
- 発現トライアル
 タンパク質発現用ベクターを宿主へ導入し、小スケールでタンパク質の発現を行います。
 基本的には、SDS-PAGEにて発現の有無・発現量を確認します。タグあるいは融合タンパク質として発現させる場合には、それらタグを指標とする確認を行います。ウェスタンブロットに使用可能な抗体が入手できる場合には、オプションにてウェスタンブロットによる発現確認を行います。発現トライアルが、以上のような一般的な検出方法でなく、生産物に固有な検出法あるいは部分精製法を必要とする場合にも、ご相談に応じます。
- 発現条件の至適化
 トライアルにて良好な結果が得られなかった場合には、オプションで発現条件の至適化を実施することも可能です。
 ベクターの構造、宿主、誘導条件、培養条件について検討します。
 得られた組換えベクターならびに組換え生産細胞は、別途ライセンス契約等による場合を除き、お客様に提供します。
 *至適化試験の一部のみを実施することも可能です。詳しくはお問い合わせください。
- 大量培養
 発現トライアル、発現条件の至適化による生産条件を基に、大量培養を行います。
 1リットル程度のフラスコ培養、50~70リットル、または、それ以上のジャーファーメンター培養をベースとした大量培養の実施が可能です。
- タンパク質精製
 目的タンパク質の精製を行います。
 封入体精製、塩析、各種クロマトグラフィー(アフィニティー、イオン交換、疎水性、ゲルろ過)、エンドトキシン除去などを実施します。
 また、必要に応じて変性したタンパク質を活性型タンパク質への巻き戻し(リフォールディング)の検討を行います。
* 注意
期待した収量・純度が得られなかった場合にも、費用が必要になります。 
各発現系の特徴
組み換えタンパク質の発現系にはそれぞれ長所と短所があり、研究目的やタンパク質の性質に応じて選択する必要があります。
ファーマフーズ アプロサイエンス社では多岐な発現系を取り揃えており、ご要望に適した発現系をご提案いたします。
	
		
			|  | 発現量 | 糖鎖修飾 | SS結合(*1) | 
		
			| 大腸菌 | ◎ | × | × | 
		
			| ブレビバチルス、ジオバチルス | ◯ | × | ◯ | 
		
			| 無細胞 | △ | × | △ | 
	
*1 SS結合はリフォールディングで対応できる場合有り
- 大腸菌(E. coli)
 ・多様な宿主・ベクター系が市販されており、様々なターゲットに適応できます
 ・高発現のため安価に生産が可能です
 ・封入体を形成することがあります
- ブレビバチルス(Brevibacillus choshinensis)
 ・タンパク質を培地中に分泌生産することが可能です
 ・分泌タンパク質を正しい構造で生産できます
 ・菌体外プロテアーゼが少ないので、培養中の分解が生じません
 ・グラム陽性菌のため、エンドトキシンがありません
- ジオバチルス(Geobacillus thermodenitrificans)
 ・好熱性のグラム陽性桿菌であり、55~60℃付近で良好に生育する特徴があります
 ・耐熱性酵素などのタンパク質の生産においてメリットがあると考えられます
 ・タンパク質を培地中に分泌生産することが可能です
 ・グラム陽性菌のため、エンドトキシンがありません
 https://www.proteinexpress.co.jp/services/protein/geobacillus
 * 本菌株の用いたタンパク質発現にご興味がある方は、お問い合わせ下さい。
- 大腸菌無細胞翻訳系
 ・毒性をもつなど細胞内で生産できないタンパク質の生産が可能です
 ・界面活性剤などの各種添加剤存在下での生産が可能です
 ・直鎖の鋳型を使用できるので、ハイスループットでの発現確認を行なえます