概要
血清は、採取の際の侵襲性が低いことから、基礎研究・診断・創薬と幅広く検査・研究の対象試料となっています。しかし、血清はアルブミンをはじめとする含量が極めて高いタンパク質から構成されており、研究分析の障害になってきました。本サービスは、含量が多いタンパク質6種に対する抗体固定化担体を用いて血清中の含量の多いタンパク質を取り除き、二次元電気泳動を行う受託サービスです。
特長
- タンパク質操作に熟練したスタッフが処理を行うことにより、6種類のヒト血清タンパク質(アルブミン、IgG、IgA、トランスフェリン、アンチトリプシン、ハプトグロビン)、3種類のマウス / ラット血清タンパク質(アルブミン、IgG、トランスフェリン)を血清試料から取り除くことが可能です。
- 処理後の血清試料は、二次元電気泳動による分析を承ります。
- 総量が血清タンパク質の90%に及ぶ6種のタンパク質が取り除かれ、血清中の微量タンパク質を約10倍に濃縮する効果が得られます。
- ご要望の場合、標準品および高感度質量分析計を用い、アルブミン除去率換算によるカラム操作のQCデータの提供が可能です(詳細は別途お問い合わせ下さい)。
- 血清以外にも関節液、脳脊髄液などへの適用が可能なことを確認しています。
- ヒト・マウス・ラットに対応しています(他の生物種については、お問い合わせ下さい)。
* 使用システム:Multiple Affinity Removal System (Agilent Technologies社製)
解析例
血清中のアルブミン等タンパク質除去(fig.1)
[泳動条件]
- 試料:
(左)ヒト血清(除去前)
(右)ヒト血清(除去後)
- 試料量:10μL(0.816mg)
- 一次元:pI3~10、18cm固定化pH勾配、ストリップゲル
- 二次元:18cmアクリルアミド、濃度勾配ゲル(9~18%)
- 染色:SYPR® Ruby染色
血清中のアルブミン等タンパク質除去
1 |
IgA(分泌成分) |
2 |
トランスフェクション |
3 |
血清アルブミン |
4 |
IgG(重鎖) |
5 |
α1-アンチトリプシン |
6 |
IgG(軽鎖) |
7 |
ハプトグロビン |
8 |
ハプトグロビンα2鎖 |
9 |
ハプトグロビンα1鎖 |