概要
多くのDNA結合タンパク質は遺伝子の発現調節やクロマチンの高次構造形成に関与しており、細胞の機能や生理現象を研究する上で非常に重要な分子だと考えられています。この受託サービスでは細胞から核タンパク質を非変性条件で抽出し、更にこの中からDNAに親和性のあるタンパク質をDNA結合ビーズを用いて分離します。そして分離されたタンパク質を質量分析により同定します。この一連の作業によってDNA結合タンパク質を網羅的に解析することができます。
特長
- 核タンパク質の抽出から質量分析によるタンパク質の同定までトータルに実験をサポートします。
- 細胞内タンパク質の分画とDNA親和性に基づく濃縮の両方を行うため、低発現量タンパク質の解析にも利用できます。
- それぞれのステップごとの解析も承ります(例:DNA結合タンパク質のアフィニティ精製〜タンパク質同定まで )。
- 標準プロトコルでは、ビーズに結合させるDNAにはウシ胸腺DNAを使用しますが、それ以外のDNAも対応できます(詳細はお問い合わせ下さい)。
- 培養細胞 (*1)
- 核タンパク質の抽出(*2)
- DNAビーズと核タンパク質をインキュベート
- ビーズに結合したタンパク質の分離 (*3)
- SDS-PAGEによるタンパク質の分離(*4)
- 質量分析計を用いたタンパク質の同定(*5)
*1 哺乳類培養細胞(マウス3T3細胞の場合)では 10
7以上の細胞を調製することをお奨めします。
*2 核タンパク質の抽出は非変性状態で行います。
*3 結合タンパク質の溶出は高塩濃度バッファーを用いて行います。
*4 分離されたタンパク質が多数存在する場合は、二次元電気泳動を用いた分離(オプション)も可能です。
*5 ESI - MS/MSによる解析をご希望の場合にはご相談下さい。