概要
新型質量分析計の導入により、タンパク質イメージング質量分析による局在解析も可能になりました。また、プロテオーム解析を活用したマーカー探索を始めとする提案型受託解析やタンパク質以外の分析についてもお気軽にお問い合わせ下さい。
タンパク質同定
- 受託解析の流れ(fig.1)
- 作業内容(fig.2)
・ディファレンシャル二次元電気泳動 (pIレンジをご指定下さい:pI 4~7、3~10、6~11 ほか)
・ImageMasterによる二次元電気泳動画像解析
二次元電気泳動終了後に電気泳動像をお送りいたしますので、泳動像をご覧いただいた上で、質量分析試料に関しての打ち合わせを行います。
・質量分析計(次世代MALDI TOF/TOF ultrafleXtreme)とMascotを用いてタンパク質を同定
- 標準的な必要試料
二次元電気泳動からのゲルイメージの取得には、100μg以上のタンパク質が必要です。一般的な18cmゲルを使用する場合、300μgまでのタンパク質の泳動が可能です。質量分析によるタンパク質同定を成功させるためには、できるだけ多量のタンパク質を泳動することをお勧めします。試料の量と品質については、あらかじめ打ち合わせをさせていただきます。
- 標準的な報告書の構成
・二次元電気泳動像(二次元電気泳動サービス込みの場合)
・泳動像比較結果(ディファレンシャル二次元電気泳動サービスの場合)
・それぞれに特異的なスポットのリスト
・質量分析によるタンパク質同定結果
リン酸化タンパク質のプロファイリング、リン酸化部位の同定
タンパク質のリン酸化は、細胞の増殖の調節や酵素の活性、細胞内シグナル伝達などに関わる重要な役割を果たしますが、遺伝子解析では推定することができず、タンパク質を直接解析する必要があります。本サービスでは、プロテオーム解析技術を用いたリン酸化タンパク質のプロファイリングに加えて、リン酸化部位の同定作業も実施します。
- 特長(fig.3)
・リン酸化タンパク質を数種類のタンパク質分解酵素で切断することにより検出ペプチドのカバー率を高め、高感度質量分析計を用いたリン酸化部位同定を行います。
・リン酸化部位同定の成否は、リン酸化ペプチドを精製・回収できるかに依存していますが、独自のノウハウにより成功率を高めることができます。
二次元電気泳動解析
等電点ストリップを使用してタンパク質を電荷性質で分離する等電点電気泳動を一次元目に、タンパク質を分子量によって分画するSDS-PAGEを二次元目に実施し、タンパク質のマップを作成します。試料間の泳動像の解析も可能です。また、SDS-PAGEのみの解析も承ります。
- 仕様
下記からそれぞれお選びいただきます。
・等電点レンジ :4~7、3~10など
・ゲルサイズ : 7、18、24cm
・染色方法 :CBB、銀染色、SYPRO Ruby蛍光染色
- サービスの流れ(fig.4)
- 解析例(fig.5)
- 必要試料量
二次元電気泳動18cmサイズゲル、蛍光染色の場合
必要試料量:1枚当たり100μg ~
質量分析計による同定解析
次世代型MALDI型質量分析計であるultrafleXtreme(BRUKER DALTONICS社製)を使用した、MS/MS Ion searchによる高い確度のタンパク質同定結果を納品します。
- 特長
・DNA / タンパク質データベースが整備されていない生物由来の試料については、直接スペクトルを精査するde novo解析によりアミノ酸配列決定を行います。
・5~8個以上のアミノ酸配列が決定できれば、プライマーを作製することにより、cDNAクローニングが行えます。
- 必要試料量
CBBで明確に染色される程度のバンドまたはスポットが必要です。
de novo解析の場合には更に多くの試料が必要です。
ウエスタンブロット解析
お客様に代わりミニゲルによる電気泳動から検出までの作業を実施します。
基本となるゲルサイズはミニゲルですが、二次元電気泳動にも対応可能です。検出は発色で行います。(
fig.6)
* 試料・一次抗体に関しては、お客様でご準備いただきます。
- 必要試料量
タンパク質定量をお客様に行っていただき、SDSサンプルバッファーに溶解した状態でお送り下さい。1レーン当たり最大20μgのタンパク質の電気泳動が可能です。
バイオマーカー探索、タンパク質相互作用解析
プロテオーム解析によるバイオマーカー探索、既知のタンパク質やDNA と相互作用するタンパク質の解析を行います。また、TandemAffinity Purification(TAP)法の実績もありますので、詳細についてはお問い合わせ下さい。
DNA関連分析
候補タンパク質解析後の PCRプライマー設計、PCR解析、DNAシークエンスなどタンパク質解析からスタートした研究・開発をDNAレベルまでサポートします。
環境・食品分析
- エンドトキシン分析(リムルス試験)
- 薬物および代謝物の定量解析(HPLC、LC-QQQ-MS 試験)
- 食品中の生物種解析(PCR)
- 食品中の食肉部位解析(MALDI-TOF/TOF)
- 農薬など残留物解析(GC、GC-MS)
- 生物試料中の金属元素分析(ICP-MS)
- その他