概要
次世代シーケンサー Illumina社 「HiSeq2500」 ・ 「MiSeq」 ・ 「HiSeq4000」 ・ 「HiSeqX」 およびPacific Biosciences社 「PacBio RSⅡ」 を用いた高速DNAシーケンスを実施いたします。
ランあたり最大1Tbpと圧倒的なデータ産出量を誇るHiSeq2500、読み取り長・データ取得量のバランスが 優れたMiSeq、10Kb以上の平均リード長を得られるPacBio RSⅡ等から解析目的に合わせた選択が可能 です。
細かなニーズにあわせたライブラリ調製サービス・データ解析サービスも充実!
ご要望に従い最適なプランをご提供いたします。
Illumina HiSeq / MiSeq
- Illumina HiSeq 2500
100bp程度のショートリードデータを、1ランで最大1Tb出力します。
マルチプレックス解析により、サンプルあたり任意のデータ量を取得することが可能です。
- Illumina MiSeq
300bpペアエンドシーケンスでは、~500bp程度のインサート配列全長決定が可能です。
16S rRNA等アンプリコンを対象とした解析に適しています。
- Illumina HiSeq 4000 ・ HiSeq X
高密度のクラスターを形成するフローセルで、より高いスループットの出力が可能です。
多くのデータを必要とする、高等動物の全ゲノム解析や、多検体のエクソーム解析に使用されます。
* HiSeqXはホールゲノム解析に限定したシステムです。
PacBio RS Ⅱ
PacBio RS IIでは、数kbのロングリードデータを出力します。
ライブラリ調製時にPCRを行わないため、GC含量に関わらず、均一なシーケンスデータを取得することができます。バクテリア等ゲノムサイズの小さい生物種のゲノムアセンブル解析や、高等生物の完全長トランスクリプト配列決定に適しています。
DNA解析
- de novo シーケンス(HiSeq / MiSeq)
配列未知の生物種を対象とした配列決定を行います。取得したリード配列をアセンブルし、コンティグ配列を取得します。さらにペアエンド/メイトペア解析によりスキャフォールド配列を得ることが可能です。
- リシーケンス(HiSeq / MiSeq)
配列既知の生物種を対象とした配列決定を行います。取得したリード配列をリファレンス配列に対してマッピングすることで、SNP等の変異箇所をゲノムワイドに探索可能です。
- Ampliconシーケンス(MiSeq / HiSeq)
PCR産物のプールシーケンスにより、高効率に特定領域のディープシーケンスを行います。1%しか存在しない変異も検出可能な感度があり、低頻度SNPの検出、同定が可能です。
- メタゲノム解析(HiSeq / MiSeq)
微生物叢のゲノムDNA配列を一度に取得します。データ解析と併せて、微生物間の相互作用の網羅的解析を可能にします。
- 群集解析(MiSeq)
環境・糞便等のサンプル中に存在する細菌の16S rDNA領域をユニバーサルプライマーで増幅、得られた16S rDNA Ampliconのディープシーケンスおよび取得データのBLAST検索により、群集解析を行います。サンプルごとにインデックス配列を付加し、複数サンプルを一度にシーケンスすることも可能です。
- QTLシーケンス(HiSeq / MiSeq)
量的形質遺伝子座(QTL)は量的形質を支配する遺伝子の場所であり、DNAマーカー育種ではこのQTLの位置を確かめることが重要となります。
QTLシーケンス(QTL-seq)法は、次世代シーケンサーを用いることでDNAマーカーを作成することなく迅速にQTL同定を可能にする技術です。
DNAマーカーの連鎖解析を用いる従来のQTL解析法と比較して、QTL-seq法は迅速かつ低コストにQTLを同定できます。
- RADシーケンス(HiSeq / MiSeq)
RADシーケンス(Restriction Site Associated DNA Sequence:RAD-seq)は、次世代シーケンシング技術を用いた制限酵素認識サイト近隣領域を解析する手法です。
この方法ではゲノムを制限酵素で切断し、切断した部位から50~100bp程度のシーケンスを読み、SNPsを探索します。RAD-seqにより得られたSNPマーカーは、遺伝子座間の距離の測定、高密度遺伝子連鎖地図の探索、QTLマッピングに用いることができます。
領域を限定してシーケンスするため、低コストで効率良く解析を行うことができます。
エピゲノム解析
- ChlPシーケンス(HiSeq / MiSeq)
クロマチン免疫沈降法により得たDNA断片をお預かりし、シーケンシングを行います。クロマチン免疫沈降法とシーケンシングを組み合わせることで、転写調節因子であるDNA結合タンパクのゲノム上の結合部位の同定や、ヒストンメチル化等のクロマチン構造変化に代表されるエピジェネティックな修飾のゲノムワイドな網羅的解析が可能です。
- メチル化解析(HiSeq / MiSeq)
DNAのメチル化はエピジェネティクスやクロマチンリモデリングを始めさまざまな生命現象に関わる重要な遺伝子発現の制御機構です。遺伝子のプロモーター付近にはCpGアイランドと呼ばれるCpG配列が高頻度に存在しており、シトシン(C)のメチル化の有無による転写制御が行われています。
主にどのようなCpGアイランドがメチル化されているのかを解析するのがDNAメチル化解析であり、近年、バイサルファイト法やメチル化DNA免疫沈降法と次世代シーケンサーを組み合わせたMet-seq解析が注目されています。
北海道システムサイエンス社では、次世代シーケンサーを用いたゲノムワイドな網羅的DNAメチル化解析や特定ゲノム領域のDNAメチル化解析等、目的に応じた解析方法をご提案します。
ターゲットシーケンス アプリケーション
- Agilent SureSelect Target Enrichment System
SureSelectは、ゲノム配列の中で個々の研究者が着目している特定領域のリシーケンシングを効率的に行うことができる独自の研究者用ツールです。1本のチューブで、最大55,000種類のビオチン化RNAプローブを研究者ごとのニーズに合わせてご提供いたします。読みたい配列だけを選んでシーケンスすることで、シーケンス時間、コストを劇的に削減し、データ解析を格段に効率化できます。(fig.1)
キャプチャーターゲットに対してプローブが既にデザインされたキットです。カタログから選ぶだけで簡単にご利用いただくことができます。 既に多くの研究者の方々に利用され、その安定したキャプチャー性能が高い評価を得ています。(fig.2)
- Agilent HaloPlex HS Target Enrichment System
ヒトゲノム対応のHaloPlex™ HSターゲットエンリッチメントシステムはPCRのスピードとハイブリダイゼーションによる選択的濃縮の利点を組み合わせることにより、1チューブで200,000ものアンプリコンを増幅する技術です。ターゲットエンリッチメントの過程で組み込まれる分子バーコードを利用してアンプリコンシーケンスの変異コールの信頼性を飛躍的に向上させた、画期的なシステムです。FFPEサンプルにも適用いただけます。
その他の、ターゲットシーケンス解析も扱っております。お気軽にお問合せください。
RNA解析
- mRNAシーケンス(HiSeq / MiSeq)
精製したmRNA(poly(A)-RNA)の断片化、cDNA合成によりpoly(A)-RNAの配列を網羅的に取得します。
配列決定だけでなく、HiSeqでは個々のTranscriptを読んだ「リード数」による定量的発現解析、融合遺伝子解析も可能です。
- DSNノーマライゼーション(HiSeq / MiSeq)
次世代シーケンスの特性を活かしたトランスクリプトーム解析はESTデータベースの構築に有用なツールですが、ハウスキーピング遺伝子等 存在量の多い転写産物はすでに配列が決定されていることも多く、取得したデータの一部が無駄になってしまうこともあります。次世代シーケンスのスペックをより有効にご利用いただくため、DSNノーマライゼーションmRNA-Seqサービスをご用意いたしました。
- small RNAシーケンス(HiSeq / MiSeq)
miRNAを含む低分子RNAを網羅的にシーケンスします。
既知small RNAの発現解析と併せ、ゲノムデータベースの利用により新規miRNA検索等も可能です。
オプションサービス