家畜ブタからの腸内内容物採取、消化必須アミノ酸スコア(DIAAS)評価試験、膝関節部への軟骨移植試験、皮膚創傷治療試験、消化管癒着性試験などを行う受託サービスです。近年では整形外科領域や医療機器の使用模擬試験など用途の幅が広がっています。条件設定を事前にご相談させていただくことで、お客様のご要望にお応えします。
家畜ブタを使用した試験について
- 飼育を含め経験豊富であり、また調達も短期間で可能です(調達は短期間であっても適切な馴化期間を設けています)。
- 小動物等では実現できない人に近い加重を必要とする試験や皮膚・臓器を使用した試験が可能です。
- 家畜ブタ(LWD系)は比較的調達が容易であり、月齢(場合によっては生後間もないものも)も幅広くご用意できます(*1)。
*1 ミニブタは取り扱っておりませんのでご了承下さい。
家畜ブタからの腸内内容物採取
小腸回腸部にPP材料加工されたカニューレ器具を装着させ、一定の期間被験飼料を給与し、装着したカニューレ器具より回腸内容物を取り出し、採取した回腸内内容物をご提供することができます。
- 使用動物:LWD系家畜ブタ雌3か月齢(体重約30kg)
- カニューレ装着方法:麻酔下で腹部臍横側の位置より正中線に沿って約10cm上方向へ切開し、回腸の末端を確認後、約30cm上流に位置する回腸部にカニューレを装着します。
- 内容物採取部位:回腸
- 採取方法:カニューレ装着手術後約1週間の回復期間を得て被験飼料を5日間連日規定の時間(1日3回の給餌)給与し、装着カニューレに専用の採取袋を装着し内容物を採取します。この期間(5日間に1回の内容物採取)を1サイクルとし、ご希望の採取回数を設定します。
消化必須アミノ酸スコア(DIAAS)評価試験
食品に含まれるタンパク質の品質を評価する『消化性必須アミノ酸スコア』 (DIAASと略)を実施するための消化吸収試験を承ります。
DIAASでは、糞便試料ではなく回腸末端で未消化物を回収する必要がありますが、家畜ブタを用いたモデルを用いることで、回腸末端からの連続的な試料採取が可能になりました。
- 体重30kg程度のLWD系雌性家畜ブタを用い、回腸末端部にT字カニューレを装着します。
カニューレの構造は鈴木ら(1981)が用いたものを参考にし、一部を改変しております。
- 術後1週間程度経過することで、摂餌量などは手術前の状態に戻り、カニューレを介した回腸内容物の採取が可能になります。
- カニューレに採取袋を装着することで、コンタミネーションの少ない試料を、一定時間連続で再出することが可能です。
- 採取した試料は、直ちに冷蔵もしくは冷凍保存し、検査実施機関に発送いたします。
その他試験の一例
- 膝関節部への軟骨移植試験
- 皮膚創傷治療試験
- 消化管癒着性試験
- 薬剤塗布試験
- 椎骨疾患治療薬試験など
* ヤギやヒツジなど、家畜ブタ以外の動物を用いた試験のご依頼についてもお気軽にお問合せ下さい。