概要
メチル化DNAをilluminaの次世代シークエンサー(NextSeq500など)を用いてシークエンスする解析受託サービスです。DNAメチル化部位をゲノムワイドに決定する上で強力なツールとなっています。
DNAメチル化解析は次世代シークエンスにおける主要なアプリケーションのひとつです。DNAのメチル化(シトシン5位のメチル化)は、哺乳類などにおいて遺伝子発現調節に深く関わる機構であり、ヒストン修飾と並んでエピジェネティクスという大きな研究分野となっています。
メチル化パネル解析(QIAGEN QIAseq Targeted Methyl Panels)受託サービス
Breast Cancer(89遺伝子)、Colorectal Cancer(63遺伝子)、Immuno Oncology(68遺伝子)のメチル化パネル解析を行います。カスタムパネルの作製も可能です。
【特長】
- FFPE試料や循環セルフリー DNA(ccfDNA) にも対応します。
- 微量試料(10 ng~)でも測定可能です。
- 分子バーコードによる正確なメチル化解析を行います。
- illumina社の次世代シークエンサー(MiSeq)で解析します。
- QIAGEN Gene Globe Data Analysis Center (データ解析クラウド)が無償で利用できます(ユーザー登録が必要)。
【メチル化パネルの種類】
- QIAseq Targeted Methyl Human Breast Cancer Panel:ヒト肺がんに関連した89遺伝子におけるメチル化を解析
- QIAseq Targeted Methyl Human Colorectal Cancer Panel:ヒト大腸がんに関連した63遺伝子におけるメチル化を解析
- QIAseq Targeted Methyl Immuno-Oncology Panel:がん免疫に関連した68遺伝子におけるメチル化を解析
【メチル化パネル解析受託サービスの流れ】
- 試料のクオリティチェック(QC)を行います。
- DNAのバイサルファイト変換を行います。バイサルファイト変換により、非メチル化シトシンはウラシル(PCR後チミン)に変換されますが、メチル化シトシンは変換されないため、メチル化を配列上の違いとして検出可能になります。
バイサルファイト変換試薬:EpiTect Fast Bisulfite Conversion Kits (QIAGEN)
- ターゲット領域の増幅とシーケンスライブラリーの調製を行います。
結果・考察:QIAseq Targeted Methyl Panel(QIAGEN社)
- illumina社の次世代シークエンサー(MiSeq)によるシークエンス解析を行います。
- リファレンスゲノムへのアライメント(マッピング)とメチル化率の算出を行います。
【データ解析】(
fig.1)
【納品物】
- original_fastq(FASTQ生データ)
- 試料QC結果
- データ解析結果
* USBメモリ等の記憶媒体もしくはクラウド経由で納品します。
* アライメントデータ (bamファイル) はクラウドでの解析上付属しません。
【試料送付について】
DNAの種類 |
ゲノムDNA量 |
濃度 |
OD260/280 |
OD260/230 |
性状 |
液量 |
組織・細胞
由来DNA |
2ng |
0.2ng/μl以上 |
1.5以上 |
1.0以上 |
分解やRNAのコンタミがないこと |
10μL以上 |
FFPE
由来DNA |
20ng |
2ng/μl以上 |
1.5以上 |
1.0以上 |
RNAのコンタミがないこと |
10μL以上 |
・試料量が上記に満たない場合はお気軽にご相談下さい。
・抽出時に使用している有機溶媒が混入していないDNAをご送付下さい。
・DNAはRNase処理を行い、RNAのコンタミネーションがない状態の試料をご送付下さい
・組織、細胞、FFPEスライドなどは、DNA/RNA抽出をご確認いただくか別途お問い合わせ下さい。
・送付方法は「サンプル送付方法」をご確認下さい。
ターゲットBAS解析受託サービス
ターゲットBAS解析(ターゲットバイサルファイトアンプリコンシークエンス)受託サービスです。DNAのバイサルファイト変換後、ご指定のPCRプライマーでターゲット領域の増幅を行います。
【特長】
- DNAのバイサルファイト変換後、ご指定のPCRプライマーでターゲット領域の増幅を行います。
- FFPE試料や微量DNA(1ng~) にも対応します。
- illumina社の次世代シークエンサー(MiSeq) で一度に数十の試料を同時に解析することが可能です。
【ターゲットBAS解析受託サービスの流れ】
- 試料のクオリティチェック(QC)を行います。
- DNAのバイサルファイト変換を行います。バイサルファイト変換により、非メチル化シトシンはウラシル(PCR後チミン)に変換されますが、メチル化シトシンは変換されないため、メチル化を配列上の違いとして検出可能になります。
バイサルファイト変換試薬:EZ DNA Methylation-Gold Kit(ZYMO RESEARCH社)
- ご指定のPCRプライマーでターゲット領域の増幅とシークエンスライブラリーの調製を行います。
- illumina社の次世代シークエンサー(MiSeq)によるシークエンス解析を行います。
- リファレンスゲノムへのアライメント(マッピング)とメチル化率の算出を行います。
【データ解析】
- 生データ(FASTQファイル)
- リードトリミング、リファレンスゲノムへのアライメント(マッピング)、メチル化率算出(Bismarkツール)
- アノテーション付与
【納品物】
- original_fastq(FASTQ生データ)
- trimmed_fastq(トリミング済みFASTQ)
- bam(アライメントデータ)
- 試料QC結果
- データ解析結果
* USBメモリ等の記憶媒体もしくはクラウド経由で納品します。
【試料送付について】
DNAの種類 |
ゲノムDNA量 |
濃度 |
OD260/280 |
OD260/230 |
性状 |
液量 |
組織・細胞
由来DNA |
200ng |
10ng/μl以上 |
1.5以上 |
1.0以上 |
分解やRNAのコンタミがないこと |
20μL以上 |
FFPE
由来DNA |
400ng |
20ng/μl以上 |
1.5以上 |
1.0以上 |
RNAのコンタミがないこと |
20μL以上 |
・試料量が上記に満たない場合はお気軽にご相談下さい。
・FFPE試料から抽出したゲノム DNA の場合は400 ng以上ご用意下さい。
・抽出時に使用している有機溶媒が混入していないDNAをご送付下さい。
・DNAはRNase処理を行い、RNAのコンタミネーションがない状態の試料をご送付下さい。
・組織、細胞、FFPEスライドなどは、DNA/RNA抽出をご確認いただくか別途お問い合わせ下さい。
・送付方法は「サンプル送付方法」をご確認下さい。