概要
サーモフィッシャーサイエンティフィック社の遺伝子発現解析用マイクロアレイGeneChip
®を用いた受託解析サービスです。GeneChip
® は光リソグラフィ法による製造で高密度マイクロアレイを実現しています。DNAマイクロアレイのデファクトスタンダードとして世界中の研究者に認知されており、コスト面やデータハンドリング面においても網羅的遺伝子発現解析における有力な解析ツールです。
解析結果はクラボウ独自のソフトウェア「Transcriptome Viewer」でご報告します。マイクロアレイデータの取り扱いが初めてという方にも、クラスタリングなどのグラフ作成、統計解析による発現変動遺伝子の抽出を簡便に行うことができます。
クラボウはサーモフィッシャーサイエンティフィック社認定の受託解析サービスプロバイダーで、15年以上に渡り国内での受託実績を持っています。熟練の解析担当者による安定したデータをお客様にお届けします。
マイクロアレイ種の選択
遺伝子発現解析用GeneChipは多彩なラインナップで構成されています。長年多くの研究者に利用されてきた「3’IVT Array」、Non-coding RNAの解析も可能な「Gene ST Array」、安価で最新の遺伝子情報が反映された「Clariom S Array」、エクソン単位・ジャンクション部位の発現解析可能でアウトプットデータ数が最大の「Clariom D Array」です。
それぞれのアレイには特長がありますので、お客様のニーズに応じたラインナップを選択いただくことができます。(
fig.1)
miRNA解析用アレイ(miRNA 4.0 Array)はmirBase release 20に基づいてプローブデザインが設計されており、全203生物種のmiRNAを検出することができます。ヒト・マウス・ラットにおいてはmiRNA前駆体のヘアピン配列が、ヒトにおいてはsnoRNA、scaRNAの検出が可能です。
GeneChip 遺伝子発現解析用アレイリスト
アレイ種 |
3’IVT Array |
Gene ST Array |
Clariom S Array |
Clariom D Array |
対応生物種数 |
24生物種 |
24生物種(27アレイ) |
ヒト・マウス・ラット |
ヒト・マウス・ラット |
遺伝子・転写産物あたりの設計プローブ数 |
22(ミスマッチプローブ含む) |
平均26 |
10(各スプライスバリアントに共通したエクソン領域内に設計) |
エクソンあたり:約10個 ジャンクション部あたり:約4個 |
プローブデザイン PM:検出用プローブ MM:バックグラウンド用プローブ |
PM / MM |
PMのみ |
PMのみ |
PMのみ |
特長 |
・多数の解析実績
・幅広い生物種に対応
・検出フラグデータによりノイズデータの除去が容易 |
・幅広い生物種に対応
・non-coding RNAの検出も可能 |
・最新の遺伝子情報に基づいたプローブ設計
・充分にアノテーション付けされた遺伝子のみ搭載で、実験結果の解釈に困らない |
・エクソン単位でのデータ比較
・100万個以上のデータ量(ヒト) |
必要なサンプル
Total RNA:500ng 以上(濃度50ng/uL以上)
RNA純度(A260/A280):1.9~2.1
* サンプルはヌクレアーゼフリー水に溶解してください。
* サンプルが上記規定に満たない場合は、お気軽にお問い合わせください。
* RNA抽出サービス(オプション)もご利用いただけます。
* miRNA Array解析の場合。Total RNAに低分子RNAが含まれている必要があります。
スピンカラムタイプのRNA抽出キットは低分子RNAが得られないタイプがありますのでご注意ください。
納品内容
解析報告書およびDVD-ROMなどの記憶媒体に解析データを収録して納品します。(
fig.2)
- GeneChipシステム形式データ
解析システムより産生されるCEL・CHP・TXTファイルは、論文投稿時に必要な公的データベースへのアップロードの際に必要になるデータです。
- 総合比較解析用データ
各サンプルの各遺伝子・転写産物・miRNA種の発現値、検出フラグデータ(一部のアレイのみ対応)が確認できます。クラボウ社開発の「Transcriptome Viewer」を利用いただくことで、統計解析によるサンプル間の遺伝子発現比較、発現変動遺伝子の抽出(フィルタリング)、データのグラフ化・可視化(散布図、クラスタリング)などが可能になります。本ツールによりマイクロアレイ解析後の2次解析をスムーズに進めることができます。