DNA Link / フィルジェン ID: J01343

illumina InfiniumTM MethylationEPIC BeadChip 受託解析サービス ID: J01343

illumina社のDNAメチル化ビーズアレイ「InfiniumTM MethylationEPIC BeadChip」を用いた受託解析サービスです。

サービスについて

概要

InfiniumTM MethylationEPIC BeadChipは、メチル化の専門家が選択した包括的カバレッジ、高スループットを実現し、サンプル数が多い大規模なゲノムワイドのDNAメチル化研究を行うための理想的なソリューションです。また、一塩基レベルの解像度でCpGサイトのメチル化を定量することができるため、エピゲノムの詳細な変化を捉えることができます。
DNAメチル化は、遺伝子発現調節において、重要かつダイナミックな役割を担っています。DNAメチル化には、発生・分化における細胞の特殊化及び分化細胞の安定維持、ウイルス遺伝子や非宿主DNA配列から生じる有害な発現の抑制、そして環境刺激に対する応答機序の付与などの役割があります。また、異常なDNAメチル化(高メチル化、低メチル化)とそれによる遺伝子発現への影響は、癌などの多くの疾患過程に関与しています。
様々なアプリケーションに対応する費用効率の高いDNAメチル化解析を行うために、本サービスでは実績高いイルミナのInfiniumケミストリーとiScanシステムを組み合わせた信頼性の高いメチル化プロファイリングプラットフォームによる解析を提供します。

InfiniumTM MethylationEPIC v2.0 BeadChip の特長

InfiniumTM MethylationEPIC v2.0 BeadChip Kit は、サンプルのプールやインデックス作成を必要としない、合理化されたワークフローに従っています。8サンプルフォーマットの BeadChip は、Infinium HD メチル化アッセイに従って処理され、iScanTM でスキャンされます。

Infinium<sup>TM</sup> MethylationEPIC v2.0 BeadChip 【InfiniumTM MethylationEPIC v2.0 BeadChip】

iScan<sup>TM</sup> 【iScanTM



InfiniumTM MethylationEPIC v2.0 BeadChip は、エンハンサー領域, 遺伝子本体、プロモーター、および CpG アイランドにおける 935,000以上の CpG(fig.1) を特徴としています。

【ゲノムワイドな最先端コンテンツ】
InfiniumTM MethylationEPIC v2.0 BeadChip は、InfiniumTM MethylationEPIC v1.0 BeadChip のゲノムワイドなバックボーンを基に構築されており、高い後方互換性を維持しながら(fig.2)、専門家のフォードバックとヒト癌および細胞サンプルのエピジェネティック評価に基づいて得られた新しいコンテンツを追加しています(fig.3:表2、fig.4:表3)。新バーションの BeadChip では、DNA メチル化研究において、基礎となる一塩基多型(SNP)、クロスハイブリダイゼーション、およびマルチマッピングの挙動[8]により、日常的に除外される非機能性プローブを削除し、エピジェネティックス コミュニティによって特定されたより多くの機能的コンテンツを搭載しました。 186,000 以上の新しいプローブが、ATAC-Seq (Assay for Transposable-Accessible Chromatin using sequencing) および ChIP-Seq (chromatin immunoprecipitation sequencing) 実験によって同定された原発性腫瘍に関連する既知のエンハンサー、スーパーエンハンサー、CTCF 結合ドメイン、クロマチンのオープン領域をターゲットとしてデザインされました。 この新しいコンテンツは、主要なエピジェネティック研究者および最近の科学出版物によってアドバイスされました[9-14]。


もう一つの改良点として、InfiniumTM MethylationEPIC v1.0 BeadChip ではカバーが不十分であった CpG アイランドとエクソンが、追加プロープによって徹底的にカバーされています。 さらに、新バージョンでは 450 以上の癌ドライバー変異が照会され、InfiniumTM MethylationEPIC v2.0 BeadChip は癌研究のためのマルチオミクスツールとなりました[15]。 あらゆる研究者は、将来のエピジェネティックな発見のための新しい最先端のコンテンツを活用できます。

InfiniumTM MethylationEPIC v2.0 BeadChip および v2.0 BeadChip のレガシーコンテンツ
・CpG アイランド
・ヒト幹細胞で同定された非 CpG サイトのメチル化領域(CHHサイト)
・ENCODE オープンクロマチンとエンハンサー
・FAMTOM5 エンハンサー
・DNase 高感受性部位
・miRNA プロモーター領域
・イルミナの Human Methylation450 BeadChip に搭載されているコンテンツの約85%
InfiniumTM MethylationEPIC v2.0 BeadChip の新コンテンツ
・複数の癌について、腫瘍サンプルと正常サンプルで同定された異なるメチル化部位
・ChIP-seq により同定された癌および細胞株サンプル中のエンハンサーおよびスーパーエンハンサー
・ATAC-seq によって特定された原発性ヒトがんにおいて識別的にアクセス可能なクロマチン領域
・CpG アイランドのカバレッジ拡大
・より正確なコピー数多型(CNV)検出のための強化されたエクソンカバレッジ
・一般的な癌ドライバー変異

【2種類のInfiniumTMケミストリー】
InfiniumTM MethylationEPIC BeadChip は、業界で最も信頼性が高く、実績ある DNA 解析プラットフォームであるイルミナの InfiniumTM アッセイを使用しています。InfiniumTM メチル化アッセイは、DNA サンプル内の個々の CpG サイトを調べるためにデザインされた、ターゲット特異的な長鎖プローブが結合したビーズを使用しています。DNAメチル化は、バイサルファイト処理したゲノム DNA の定量的ジェノタイピングにより測定されます。Infinium I アッセイおよび Infinium II アッセイが、お互いに補完的に働くことにより、広いターゲット領域をカバーします。

  • Infinium I アッセイ
    Infinium I アッセイでは、1つの CpG サイトに対して、1個の「非メチル化」 DNA 検出プローブ及び 1 個の「メチル化」 DNA 検出用プローブの合わせて 2 個のプローブが利用されます。各プローブの 3’ 末端は、保護されたシトシン(メチル化デザイン)、またはバイサルファイトによる変換と全ゲノムの増幅にって生成するチミン塩基(非メチル化デザイン)のいずれかにマッチする様にデザインされています。
  • Infinium II アッセイ
    Infinium II アッセイは、1 個のターゲットサイトに対して、1 個のプローブのみを使用する様にデザインされています。プローブの 3’ 末端は、検出サイトのすぐ上流の塩基に相補的で、1 塩基伸長の結果、「メチル化」 C または「非メチル化」 T に相補的な、標識された G または A の塩基がそれぞれ付加されます。
    Infinium II アッセイは、縮重オリゴヌクレオチドプローブを用いることにより、50mer の配列内に別の CpG サイトが存在したとしても、最大 3 箇所まで存在してもデータに影響を及ぼさず、ターゲットに隣接する CpG サイトのメチル化状態とは関係なく、検出サイトでのメチル化状態を評価することが可能です。
  • (fig.5
    【高精度で正確なメチル化データ】
    Infinium アレイケミストリーでは、照会された各 CpG 部位に対して多数のビーズの複製が使用され、それぞれのビーズに数千のプローブが結合されています。その結果、Infinium メチル化アッセイは非常に高精度なメチル化測定を提供します.
    このことは、癌細胞株を用いた内部実験によって証明されており、技術的複製間で 99% 以上の再現性を示しました。
    さらに、Infinium メチル化アッセイでは、1%未満の偽陽性率で 0.2のベータ値の差を検出することができるため、高い分析感度が達成されています。実験では、Infinium MethylationEPIC v2.0 および v1.0 BeadChip のオーバーラップアッセイとメチル化シークエンスデータの高い相関性も示されました。Infinium BeadChips で得られる精度と正確さのレベルは、100x以上の高いシークエンス深度でのみ得られることが研究で示されています[16]。

    【FFPE サンプルへの適合性】
    ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプルは、Infinium メチル化 HD アッセイの改良バージョンを使用すると堅牢なパフォーマンスを示します(fig.6:表4)。
    貴重なサンプルと最適なサンプルの完全性を実現するには、オプションの DNA Restoration 工程をお勧めします。
    InfiniumTM MethylationEPIC BeadChipのData Sheet(PDF)
    【References】
    1. Bibikova M, Lin Z, Zhou L, et al. High-throughput DNA methylation profiling using universal bead arrays. Genome Res. 2006;16(3):383-393.
    2. Fan JB, Oliphant A, Shen R, et al. Highly parallel SNP genotyping. Cold Spring Harbor Symposia on Quantitative Biology. 2003;68:69-78.
    3. Capper D, Jones DTW, Sill M, et al. DNA methylation-based classification of central nervous system tumours. Nature. 2018;555(7697):469-474. doi: 10.1038/nature26000.
    4. Sengos AP, Aldape K. DNA Methylation Profiling: An Emerging Paradigm for Cancer Diagnosis. Annu Rev Pathol. 2022;17:295321. doi: 10.1146/annurev-pathol-042220-022304.
    5. Sadikovic B, Levy MA, Kerkhof J, et al. Clinical epigenomics: genome-wide DNA methylation analysisfor the diagnosis of Mendelian disorders. Genet Med. 2021;23(6):1065-1074. doi: 10.1038/s41436-020-01096-4.
    6. Horvath S, Raj K. DNA methylation-based biomarkers and the epigenetic clock theory of ageing. Nat Rev Genet. 2018;19(6):371-384. doi: 10.1038/s41576-018-0004-3.
    7. Nwanaji-Enwerem JC, Colicino E. DNA Methylation–Based Biomarkers of Environmental Exposuresfor Human Population Studies. Curr Environ Health Rep. 2020;7(2):121-128. doi: 10.1007/s40572-020-00269-2.
    8. Zhou W, Laird PW, Shen H. Comprehensive characterization, annotation and innovative use of Infinium DNA methylation BeadChip probes. Nucleic Acids Res. 2017; 45(4):e22. doi: 10.1093/nar/gkw967
    9. Corces MR, Granja JM, Shams S, et al. The chromatin accessibility landscape of primary human cancers. Science. 2018;362(6413):eaav1898. doi:10.1126/science.aav1898.
    10. Chen H, Li C, Peng X, et al. A Pan-Cancer Analysis of Enhancer Expression in Nearly 9000 Patient Samples. Cell. 2018;173(2):386-399. doi: 10.1016/j.cell.2018.03.027.
    11. Lovén J, Hoke HA, Lin CY, et al. Selective inhibition of tumor oncogenes by disruption of super-enhancers. Cell. 2013;153(2):320-334. doi:10.1016/j.cell.2013.03.036.
    12. Hnisz D, Abraham BJ, Lee TI, et al. Super-enhancers in the control of cell identity and disease. Cell. 2013;155(4):934-47. doi: 10.1016/j.cell.2013.09.053.
    13. Jiang Y, Qian F, Bai X, et al. SEdb: a comprehensive human super-enhancer database.2019;47(D1):D235-D243. doi: 10.1093/nar/gky1025.
    14. Chapuy B, McKeown MR, Lin CY, et al. Discovery and characterization of super-enhancer-associated dependencies in diffuse large B cell lymphoma. Cancer Cell. 2013;24(6):777-790. doi:10.1016/j.ccr.2013.11.003.
    15. Bailey MH, Tokheim C, Porta-pardo E, et al. Comprehensive Characterization of Cancer Driver Genes and Mutations. Cell. 2018;173(2):371-385. doi: 10.1016/j.cell.2018.02.060.
    16. Zhou L, Ng HK, Drautz-Moses DI, et al. Systematic evaluation of library preparation methods and sequencing platforms for high-throughput whole genome bisulfite sequencing. Sci Rep. 2019;;9(1):10383. doi: 10.1038/s41598-019-46875-5.

    解析の流れ

    1. お見積もり
      ご希望されるサンプル数などの情報を基に、価格・必要サンプル量などをご連絡いたします。
    2. サンプル送付
      解析サンプルを、QCシートと同封の上、フィルジェンへお送り下さい。
      送付された内容物を確認し、DNAlink社にサンプルを送付します。
      * 本サービスは、海外での解析という性質上、サンプルを受け取った以降のキャンセルはお引き受けできません。
        ご発送は、代理店へご依頼いただくか、直送願います。
        発送の際の送料は、お客様負担となります。(着払いは受け取りできませんので、ご注意ください。)
    3. サンプルの品質チェック
      アガロースゲル、分光光度計などにより、品質(QC:Quality Control)チェック及び濃度測定を行います。
      QCチェック結果が良好な場合は、引き続き解析を進めてまいります。

      サンプル受領後、QCチェック結果が芳しくない場合は、以下のいずれかを選択してください。
       a. 追加の精製/濃縮を行う(追加精製/濃縮で問題が解決される場合)。
        この場合、サンプルの精製/濃縮料金が別途必要となります。
       b. 再度新しいサンプルをご用意ください。この場合、別途送料(海外)が必要となります。
       c. お客様の同意の上、同じサンプルで実験を進めます。ただし、この場合、データの保証はされません。
        結果如何によらず、通常料金をご請求させて頂きます。
      * 本サービスは、海外での解析という性質上、キャンセルはお引き受け出来ません。
        やむを得ない理由で、キャンセルする場合は、それまでの工程に応じた料金をご請求させて頂きます。
    4. マイクロアレイ解析
      以下は、Infiniumアッセイ及び、ハイブリダイゼーション、スキャンニング作業の手順です。
        a. バイサルファイト処理
        b. 全ゲノム増幅
        c. 断片化処理
        d. ビーズアレイとのハイブリダイゼーション
        e. ポリメラーゼによる伸張反応
        f. 蛍光標識
        g. スキャンニング
    5. 解析データのご報告
      データ解析結果を、CD-ROM/DVD/USBメモリーなどに収めて、ご報告します。
     

サンプルについて

サンプルご送付量容量濃度
(*picogreen、Qubitなど)
O.D.260/280O.D.260/230
ゲノムDNA>1.5μg>30μL50ng/μL>1.7>1.5

* サンプルのご準備および送付方法に関する注意事項はフィルジェンのHPでご確認ください。


納品物

  • raw data(idat files)
  • unfiltered RnBeads Object: RnBeads. unfiltered rds (Objects available in the R environment)
  • filtered RnBeads Object: RnBeads. filtered. rds (Objects available in the R environment)
  • filtered beta (.csv file)
  • EPIC v2.0 probe annotation (.csv file)

ご注文に関して

お問い合わせフォーム よりお問い合わせください。

参考価格・納期

サービス項目 価格(税抜) 納期
InfiniumTM MethylationEPIC BeadChip受託解析サービス
InfiniumTM Mouse MethylationEPIC BeadChip受託解析サービス
お問い合わせ サンプル受領およびアレイ・試薬入荷後、
5-6週間程度

* Infinium® MethylationEPIC BeadChip 受託解析サービスは、8サンプル単位での受注となります。
* Infinium® Mouse Methylation BeadChip 受託解析サービスは、24サンプル単位での受注となります。
* FFPE 由来サンプルの場合、Restore の費用が別途発生いたします。
* DNAlink社に、アレイ在庫がない場合は、アレイの入荷に別途3週間~1ヶ月程度かかる場合があります。

関連サイト