概要
既存のフラグメントスクリーニングよりも低コストかつ迅速に、これまで見逃していた弱い親和性のフラグメントも高いスループット(3,000-4,000cpds/週)で検出測定できる技術がWAC
TM です。複数の化合物をまとめて測定できるため、非常に短時間で大量の化合物評価が可能です(SARomics社提供)。
WACTM とは?(fig.1)
化合物ミクスチャーを用いることにより弱い親和性の化合物まで全て同時同定を可能にしたハイスループット向けのクロマトグラフィーアッセイです。
- 目的タンパクをHPLCカラムに固相化(基本的にどのようなタンパクでも使用可能です)
- フラグメントの滞留時間(tR)から固相化されたタンパクとの選択性・親和性を測定
- 有機溶媒ではなく、生理的なバッファーを移動相に使用
- 通常のLC-MSでカラムから出てきたフラグメントを直接確認するため、高い信頼性
- 滞留時間の変化から直接KD値を算出
試験の流れ
- 試験計画
- カラム準備(タンパク質固相カラム/コントロール(ブランク)カラム)
スクリーニング準備(フィージビリティー含)
- スクリーニング(タンパク質固相カラム n=2/ブランクカラム n=1)
- 試験報告書(Δtret基準ヒットリスト・結果レポート)
オプションで試験後にNMRやTSAによるヒット化合物の検証試験を承ります。
納期:約3週間
固相用タンパク質をお客様にご準備頂けない場合はタンパク質製造から承ります。
フルスクリーニング用に1,200のフラグメントライブラリーをご用意しておりますが、お客様ご提供のフラグメントミクスチャーでもご利用頂けます。
WACTM の優位性
他の評価系と比較して、少量の蛋白質量(2-5mg)にて評価が可能、かつ、スループットの高さによる時間/費用の削減、確度の高い結果を取得できる圧倒的な優位性を示す技術です。
他技術との比較データ (Meiby et al. 2013, Anal.Chem.,85,6756)(
fig.2)
- 111化合物を7つの技術にてスクリーニング評価
- WAC™ 評価で親和性強→弱順
WACTM の実力!
- 他技術評価との高い相関性!
- 同時にアッセイした化合物間の親和性の強弱が簡単に比較可能!
WAC
TM によるK
D値算出式(
fig.3)
K
D=B
tot(∆t
ret x flow rate)
B
tot=カラム上の蛋白量
タンパク質固相カラムとコントロールカラム間の化合物滞留時間差(∆t
ret)により親和性を算出