概要
Toll様受容体(Toll-like receptors: TLRs)は、侵入した病原体に対する初期自然免疫応答の1つとして、高度に保存された構造モチーフを認識します。TLR9は哺乳類と細菌のDNAを区別し、免疫細胞の活性化を誘導します。CpGモチーフを含む合成オリゴヌクレオチド(CpG -ODN)は、免疫系を刺激する効果を有し抗原提示細胞の成熟と活性化を促し、Th1および炎症性サイトカインの誘導を促進します。
特長
- 強力で特異的な、ヒト、マウス免疫細胞、実験動物の免疫刺激
- 高純度、エンドトキシンフリー
- エンドトキシン 0.5EU/mg以下を保証
- 取り扱いが容易
製品詳細
目的に合ったアゴニストの選択が重要です。
クラスの異なるTLR9アゴニストは、細胞においてその効果が異なることが明らかになっています。
- A-クラス TLR9 リガンド:D35
・高いI型IFN産生を誘導
・B細胞に対して低い活性
・pDCの活性化とPBMCからのIFN-αの誘導、IFN-シグナルパスウェイの活性化に有用
- B-クラス TLR9 リガンド:K3
・B細胞を刺激しTLR9-依存性NF-kBシグナルを活性化
・FN-αの誘導に関しては低い活性
・B-クラスはB細胞の活性化やヒトPBMCからのIL-6の誘導、NF-kBシグナルパスウェイの活性化に有用
CPG-ODN活性評価
- 例1 ヒトPBMCにおけるサイトカイン誘導(fig.1)
ヒトPBMC(1x106cells)を1μMの各CpGで刺激後24時間の培養上清中のヒトIFN-aおよびIL-6濃度をELISAで測定した。棒グラフは平均±SEMを示す。
- 例2 マウスFL-DCにおけるサイトカイン誘導(fig.2)
FLT3Lで分化誘導したマウス骨髄由来FL-DC(2x106cells)を1μMの各CpGで刺激後24時間の培養上清中のマウスIFN-aおよびIL-6濃度をELISAで測定した。棒グラフは平均±SEMを示す。
* 本データは、独立行政法人医薬基盤研究所アジュバント開発プロジェクト(当時)石井 健先生、青枝 大貴先生との共同研究の成果としてご恵与頂きました。