概要
ゲノムDNAクローンを利用した作出サービスです。
特定の細胞、組織選択的にレポーター遺伝子(GFP、ルシフェラーゼ等)を発現するマウス(ラット)モデルは、
in vivoにおける遺伝子機能の解析に非常に有用です。しかし、従来のトランスジェニックマウス(ラット)技術では、目的の細胞、組織に正確に外来遺伝子を発現させることは非常に困難な作業でした。また、SNP解析等で得られた変異をもった遺伝子の機能解析を
in vivoで実験するには、その遺伝子サイズと発現環境より難しい面がありました。
また、ゲノムDNAクローンを利用したノックインマウス(ラット)は、200kbにおよぶゲノムDNA配列の組換え体を直接導入されたトランスジェニックマウス(ラット)です。コアプロモーターに加え、組織特異的エンハンサーを含む発現ユニットを全て導入できる為、特定の細胞、組織選択的に外来遺伝子を発現させることが可能です。また、目的とする遺伝子を含むヒトゲノムDNAクローンが存在すれば自由自在に作製が可能です。
サービス内容
- Red/ETテクノロジーについて(fig.1)
セミノックイン動物の作製を可能にした“大腸菌体内での遺伝子ターゲティング”はGene Bridges GmbHより実施許諾権を取得しています。
大腸菌内での能動型相同組み換え反応であるRed/ET Recombination Technology (Zhang Y et al, A new logic for DNA engineering using recombination in E.coli., Nature 20 (1998) 123-128) を利用して、標的とする遺伝子を含むBACクローンから導入したい遺伝子を含む組換えBACクローンを構築することができます。
セミ・ノックイン(BAC Tg)マウス・ラット
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ゲノムレベルのhumanized model
1. 単一遺伝子疾患の発症メカニズム、治療法の探索
2. SNPsデータの生物学的評価
3. 抗体医薬開発における病態モデル動物の作製
の研究に有効利用できると考えています。
・Red/ET systemとは
組換えタンパク発現plasmidを目的とするBACクローンを保有する大腸菌に導入し、相同組み換えを行うシステムです。
組換え酵素ペアRedα/Redβ(またはRecE/RecT)によるDouble-strand Break Repair(DSBR)
1)Redα(またはRecE)の5’→3’エキソヌクレアーゼ活性により3’側のDNAが一本鎖になります。
2)この突出した3’側の一本鎖DNAにRedβ(またはRecT)が結合します。
3)タンパク質-核酸フィラメントに、相同なDNAが結合し、3’末端がプライマーとなり複製されます。
- 実験例:Red/ETテクノロジーを利用したADP-lucセミノックインマウス(fig.2)(fig.3)