自然免疫応用技研 / 富士フイルム和光純薬 ID: J01054

LPS抽出・精製受託サービス ID: J01054

各種グラム陰性細菌からのLPS抽出・精製を行います。

サービスについて

概要

各種グラム陰性細菌からのLPS抽出・精製を行います。ウェストファール法、トリクロロ酢酸法、フェノールクロロホルム法などにより抽出を行い、必要に応じて、さらに、DNA・RNA除去、タンパク質除去なども行ないます。 精製LPSのトリシンSDS-PAGE法による分子量の測定も可能です。

サービス内容

  • Step1:条件検討試験
    乾燥菌体の一部を用いて熱水抽出を行い、水相のLPSがどの程度回収されているかを見積ります。

    【作業内容】
    検体のうち、乾燥菌を約20mgを用いて熱水抽出液を調整し、リムルスアッセイにより水層のLPSを求めます。
    水層のLPS含量が≧1mg/g(乾燥菌体)の場合はStep2
    水層のLPS含量が≦1mg/g(乾燥菌体)の場合は別途協議の上、Step3
  • Step2:フェノール抽出
    Step1にて水相からLPSが回収できると可能性が高いと判断出来ることから、フェノール抽出により乾燥菌体から粗LPSを抽出します。

    【作業内容】
    ウエストファールらの方法によるホットフェノール・水抽出を行い、水層に移動した粗LPSを回収します。
    回収した粗LPSについてタンパク定量、核酸定量、リムルスアッセイを実施し、データをご報告いたします。
    なお、ここで抽出した粗LPSから高純度のLPSを精製する場合にはStep4
  • Step3:PCP法での粗LPS抽出
    Step1にて脂溶性が高いLPSの可能性があると判断できることから、脂溶性が高いLPSの抽出方法であるPCP抽出法で乾燥菌体から粗LPS抽出します。

    【作業内容】
    PCPを用いるガラヌスらの方法によりフェノール層から粗LPSを抽出します。
    回収した粗LPSについてタンパク定量、核酸定量、リムルスアッセイを実施し、データをご報告いたします。
    なお、ここで抽出した粗LPSから高純度のLPSを精製する場合にはStep5
  • Step4:Step2で得られた粗LPSからの高純度LPS精製

    【作業内容】
    核酸分解酵素処理、タンパク分解酵素処理を実施します。
    酵素処理溶液を限外濾過し、低分子の夾雑物を取り除き、精製LPSを作成します。
    精製したLPSを用いてタンパク定量、核酸定量、リムルスアッセイ、糖定量、TBA法、SDS-PAGEで物性測定を実施し、データをご報告いたします。
  • Step5:Step3で得られた粗LPSからの高純度LPS精製

    【作業内容】
    核酸分解酵素処理、タンパク分解酵素処理を実施します。
    酵素処理溶液を限外濾過し、低分子の夾雑物を取り除き、精製LPSを作成します。
    精製したLPSを用いてタンパク定量、核酸定量、リムルスアッセイ、糖定量、TBA法、SDS-PAGEで物性測定を実施し、データをご報告いたします。

注意事項

  • LPS抽出方法LPSは菌株によって種類が多様で、全ての種類のLPSを予め決められた一つの方法で抽出・精製することは難しいです。
    LPSの抽出方法としては、LPSの構造にO抗原を有する水溶性が高いLPSを抽出する方法としてウエストファールらのフェノール抽出があり、実施元ではこちらの方法でLPS抽出を実施しています。
    O抗原がないLPSは、ウエストファールらのフェノール抽出では水相にLPSが回収されないか、回収されても少ない可能性があります。水相に回収されなかった場合は、フェノール層からの回収を行います。
    得られた粗LPSには、LPS以外に核酸とタンパク等も含まれています。
    核酸分解酵素処理とタンパク分解酵素処理を行い、これらの夾雑物を低分子化し、限外濾過で夾雑物を除き、LPSの精製を行います。
  • 精製LPSの回収量/純度同じ抽出作業を実施しても、菌株が異なると得られるLPSの量/純度が大きく異なる場合があります。
    精製で得られたLPS標品の乾燥重量から核酸とタンパクの含量を除いた割合をLPSの純度の目安としております。
    精製度の目標としては90%以上としていますが、LPSの種類によってはこの目標値を達成できない場合があります。

お見積りに必要な情報

  • 菌種(出来るだけ詳細にご教示ください。)
  • 目標の収量
  • 可能であれば上記菌種(もしくは近縁種)を使用してLPSを精製した論文情報
    ⇒水溶性か脂溶性か判断出来ると、条件検討試験を省略できる可能性があります。

ご準備頂くサンプル

死菌体を準備ください。(容量については別途ご相談)
中性付近で加熱(100℃・30分)、フェノール溶液への懸濁等、お客様が対応できる方法でお願いします。

* 感染するような菌でも、不活化処理済み、処理後に不活化の確認がされている死菌であれば対応可能です。
実績としては、病原性のある菌について、回収した湿菌体にフェノールを加え、その状態でサンプルを送付して頂いたことがあります。

ご注文に関して

お問い合わせフォーム よりお問い合わせください。

参考価格・納期

サービス項目 価格(税抜) 納期
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* スタートの菌種や求める収量、難易度などによりスケールなど変わりますので、まずはご相談ください。

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