概要
カルプロテクチンとは
主に好中球(一部、単球や活性化マクロファージ)により分泌されるカルシウム結合タンパク質で、好中球の管腔への移行に比例し、糞便中のカルプロテクチン濃度が上昇することが知られています。(
fig.1)
- 便中のカルプロテクチンはUCやCDに対する特異性や感受性が高いため、再燃リスクマーカーとなります。
- 便中のカルプロテクチンが50μg/gを越えると、炎症性腸疾患の再発リスクが13倍上昇することが報告されています。
特長
[メリット]
糞便中のカルプロテクチン値が、炎症性腸疾患(IBD)の優れた炎症活動マーカーとして学会・論文で注目されています。
- メリットその1:糞便中の濃度を測定するので、採血や内視鏡検査の必要がありません。
⇒被験者の苦痛が軽減します。
- メリットその2:CRP、赤沈検査(ESR)、白血球数は、腸管だけでなく体の他の部分の炎症においても高値を示しますが、便中のカルプロテクチンは腸管粘膜の炎症のみを反映します。
⇒潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病(CD)に対する特異性や感受性が優れています。
- メリットその3:カルプロテクチンの測定はCrohn’s disease activity index(CDAI)やUlcerative colitis activity index(UCAI)、Harvey-Bradshaw activity indexより、粘膜の炎症を反映しています。
サービス内容
- ELISA法で測定いたします。
- 測定する被験対象の糞便のスプーンひとさじ程度を、検便の容器に入れ、冷凍でメーカーへご送付ください。
カルプロテクチン検量線データ(
fig.2)(
fig.3)
* 試験の詳細については、お問い合わせください。
* 本業務は、依頼者に代わり糞便中のカルプロテクチン値を測定します。従って、その測定値の評価は、依頼者自身のご判断でお願いいたします。受託に伴って公開される試料の情報、測定結果、依頼主様の個人情報等は本受託業務の遂行のみに利用し、他の目的に利用したり、第三者へ開示することはありません。また、本測定は研究を目的としております。病気の診断には使用できません。