概要
枯草菌近縁種であるブレビバチルス (Brevibacillus choshinensis) を用いたタンパク質発現サービスです。
タンパク質を菌体外に高分泌生産可能な宿主で、精製が容易であり、タンパク質分解酵素の影響が殆どないこと、低エンドトキシンであることなどが特長です。
*ブレビバチルス菌については
こちら
サービスの流れ
STEP1 |
発現ベクターの作製 |
頂いたターゲット情報をもとに遺伝子合成し、専用ベクターにクローニングします。 |
STEP2 |
発現トライアル |
形質転換体作製後、小スケールで培養条件を振り分け、発現検討を行います。 |
STEP3 |
スケールアップ培養 |
STEP2の結果をもとに、お客様のご指定のスケールで生産、ウェスタンブロッティングにより発現確認を行います。 |
STEP4 |
アフィニティー精製 |
お客様ご指定のプロトコルで精製を実施します。 |
STEP5 |
試料・報告書 納品 |
精製物(生産のみの場合:培養上清)、報告書を送付いたします。 |
生産例
- Fab抗体の分泌生産(fig.1)
Fab抗体は、重鎖 (Hchain) と軽鎖 (Lchain) がジスルフィド (SS) 結合で結びついた分子です。
両遺伝子を導入した発現ベクターを構築することで、ブレビバチルス菌においてFab抗体をSS結合、抗原結合能を保持した状態で分泌生産させることができます。
- PD-1 / PD-L1 / PD-L2の生産(fig.2)
PD-1 / PD-L1 / PD-L2は免疫チェックポイント関連分子として知られ、阻害剤の探索研究が進められています。PD-1の細胞外ドメイン及び、そのリガンドであるPD-L1、PD-L2 (ヒト、イヌ、ネコ) をブレビバチルス菌で発現、培地中(培養上清) への分泌生産量を確認しました。
- PET分解酵素の生産(fig.3)
PETase、MHETaseは芳香族ポリエステル(PET)を分解する酵素として見出され、その工業利用に期待を持たれています。これらをブレビバチルス菌で生産したところ、高い分泌生産性(PETase;~100mg/L, MHETase; ~40mg/L)と、分解酵素活性を確認しました。